時を超えて-book-

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帰りは、1人だった。

校舎を出ようと、外を見た。


「……見慣れた…ウサミミ…」


あれは、残夏くん。
捕まってるのは、ちよちゃん。


「あ!!柚葉たぁーんっ!」

「…なにしてるの…?」

「んー?渡狸が、怪我したみたいで〜」

「え…、はやく行ってあげなさい…」

「柚葉たんは?」

「うーん…残夏くんが行くなら、大丈夫だよね、眠いから帰るねー…」

「ん、じゃあまた後でね」

「ふぁーい」


そこから、1人で帰る。
帰ってきたのは、いいけれど…


「(朝急いでたから、鍵忘れた…!)」


多分、念のために私の部屋の合鍵を持っている拓真が閉めてくれたから…自分の鍵は部屋の中。
拓真は、今日は用事で…いない。


「…えー……」


茫然と部屋の前で立ち尽くしていると、連が来た。


「あれーなにしてんの?部屋の前で。ん、さっき借りたペン返しにきた」

「あ、うん……鍵が、ない。入れ、ない」

「えー、やばいじゃん」

「拓真もいないし…えー…眠いのに…」

「残夏もまだ帰ってねーし、行くとこないんだよなー…?」

「…うん…」

「…残夏か拓真が帰ってくるまで、俺の部屋くるか?」

「え、いいの、?いくー」

「…柚葉ちゃん、俺、一応 オトコノコ」

「…? 知ってるよ…?」

「危機感 持とうな」


連の部屋に、おじゃまさせてもらいます。

途中で野ばらちゃんに会ったので、軽く説明したら『なによ!ズルいじゃない!反ノ塚の分際で…引きちぎってやろうかしら…』と怒り出したので逃げました。




「…」

「ん?」

「予想以上に、綺麗な部屋…」

「俺をなんだと思ってんの」


イメージとは違う綺麗な部屋に、驚く。
あ、そうだ。残夏くんに、男の人の部屋で2人きりになっちゃダメって言われてたんだ………、まあ、連だから、いいよね。


「連も、寝よー…?」

「おー」


ベッドはさすがにだめだろうと、
ふかふかのクッションを敷いて、壁にもたれて寝ることに。


「手、繋ぐ…」

「ん…」

「おやふみ……ん」


2人で、久しぶりに、寝ました。



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