時を超えて-book-
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「柚葉たーん?」
あの後、帰ってきた残夏は柚葉を探していた。
部屋は珍しく鍵がかかっていて(いつもは開いてる)、ノックをしてもチャイムを鳴らしても、出てこなかった。
拓真は、今日はいないと言っていた。
柚葉のことは視れない。
どこにいるか、分からない。
「んー…?」
こちらも珍しく、ラウンジには野ばらが1人。
連勝がいない。
「野ばらちゃーん」
「なによ」
「柚葉たん知らない?」
「確か…反ノ塚と昼寝って言ってたわ…私も寝顔みたいのに!」
「あ、ははー…」
レンレンの部屋だ、と察した残夏は足早に向かう。
「…レンレンも、鍵閉めないんだね…」
開いている。入るよ〜?と、
「……いたいた…」
無防備に、肩を寄せ合う2人。
「…今日くらい、いっかー」
2人の寝顔を見たら、起こすことができない残夏であった。
残夏は、そっと部屋を出た。
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