虹の石_

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「それで?!不二さんは今どうなんスか!?」


座るなり切羽詰ったように聞いてきた切原の様子に雪也は眉間に皺を寄せる。


「赤也、お前不二周助を知っているのか?」

「俺達全員が知ってるぜ。不二の事は」

「どういう事だ。亮」

「不二周助はテニス部員でのう。俺達の学校と戦った事があるナリ」

「成程な。それで?」

「調べた結果。不二は学校で酷い苛めに遭っていた。それを苦に自殺したようだ」

「しかも主犯格はテニス部員…不二の仲間だった奴等ぜよ」

「そうか…」


宍戸と仁王の言葉にあの怯えたような顔を思い出し、納得した。
仲間に裏切られ、死にたくなるくらい追い詰められたのなら他人と接するのは恐怖の以外の何物でもないだろう。


「現世では今大騒ぎっスよ。不二さんの家族が苛めがあったんじゃないかって訴えていて。学校側は否定してますけど」

「まぁ、青学の売りでもあるテニス部内で苛めなんて学校にとっては死活問題じゃからのう。隠すのは当たり前ぜよ」

「雅治」


咎めるような宍戸の口調に仁王は肩を竦める。


「そうカッカしなさんな。本当の事じゃろうが」

「そうだが、それを不二の前では言うなよ?」

「当たり前じゃき」

「他に何か分かった事はあるか?」

「この短時間ではこれだけだ。悪いな」

「いや、充分だ。明日、総隊長に報告しよう。
お前達は休んで良い。ご苦労だったな」

「雪也さん!」

「何だ?」

「あの…」


言い難そうにしている切原の言葉を全員が静かに待つ。


「不二さん…これからどうなるんスか?」

「それは総隊長が決める事だが、不二には高い霊圧がるようだ。隊長格並のな」

「! じゃあ死神に!?」

「そうなる可能性はある」

「そうっスか…」


どこか安心したような表情になった切原の頭を宍戸が軽く叩いた。


「明日、不二に会いに行こうぜ」

「はい…」

「そうじゃな」


笑いあう3人に微笑みを浮かべながら障子戸を開けると、漆黒だった空に光が射していた。






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