♪コラボしちゃった♪

□2年後/2年前
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2年後


夕焼けがうろこ雲を照らし、澄み切った青い空と茜色が交じり合い、秋を感じさせている。

大海原を見渡せる丘の上で色とりどりのコスモスが咲き誇った場所で○○は、一人、リュウガが迎えに来てくれるのを待っている。

以前にも同じようにリュウガが迎えに来てくれると信じて待っていた事やシリウスでの生活を思い出していた。

リュウガの突然のシリウス解散宣言。
当然、恋人である○○もリュウガと共に歩いて行くものだと思っていた。

それなのに「しばらく一人になりたい。お前は、ヤマトに帰れ。」と言われ、こうして今、○○が一人、ヤマトの地で過ごしている。

『一人になりたい』とリュウガが言った時、強引でもリュウガにくっついて行けば、良かったのか・・・何度も後悔してみたり、リュウガの意を汲んで好きなようにさせてあげたいとの思いが交互に浮かんでは消えを繰り返していた。

○○がヤマトに戻り、普通の暮らしを始めた頃、隣近所からお見合い話を何度も来ていたが、いつか必ず、リュウガが迎えに来てくれると信じ、お見合い話を断り、毎日、この丘へ来ては、海を見つめている○○。

『迎えに来る』とも約束もせずにリュウガと別れたにも関わらず・・・

そんな日々を繰り返し、2年の月日が経とうとしていた。

いつものように○○が丘の上でコスモスの群れの中で座り、海を見つめていた時、

「お嬢さん、そんなところでボーっとしていたら、うっかり海賊にさらわれてしまうぜ?」

数年前に聞いた同じセリフ。同じ声が○○の耳に飛び込んできた。

心の底から溢れる思いが言葉にはならず、その代わり、大粒の涙を溢れ出させ、それでもニッコリと笑って振り返った。

「よぉっ!お前、キレイになったな。」

「・・・りゅう・・・リュウガ船長・・・」

「元気そうで何よりだ。」

「・・・っなっ、何が元気そうで何よりだ!ですかぁー!!・・・っ私・・・私・・・」

○○は、リュウガの胸に飛び込み、バシンバシンと小さな握り拳でリュウガの胸を叩いた。

「・・っ・・もう、逢えないかと・・・」

泣きじゃくりながらリュウガの胸に顔を擦りつけ、背中に腕を回せば、ギューっと抱きしめる○○。

「もう、泣くな。悪かったな。色々あってな・・・」

「・・・リュウガ船長のバカぁー!!うぇーん!!ヒック・・ヒック・・・」

「悪かった。○○。」

リュウガの大きな手で○○の背を擦りながら

「2回もお前を手放しちまって・・・もう・・・信じちゃくれねぇかも知れねぇが・・・もう一度、俺の腕の中に帰って来てくれるか?もう二度と手放せねぇと誓う。」

「・・・私・・・私・・・信じてたよ。何の約束もしてなかったけど・・・いつか必ず・・・リュウガ船長が迎えに来てくれるって・・・私・・・信じてたよ?」

「ありがとな。こんな俺だが、もう一度、信じてついて来てくれるか?」

「はい。今度は、私もどんな事があっても離れずにくっ付いていますからね。」

「あぁ、だったら左手を出せ。」

「???」

「何をキョトンとした顔をしてやがる。いいから出せ。」

○○が不思議顔でおずおずとリュウガに左手を出せば、リュウガが懐から指輪を取り出し、そっと薬指に嵌めた。

「○○、俺の妻になれ。なってくれるな?」

「はい!ありがとう。リュウガ船長。」

「これで俺達は、死ぬまで一緒だ。さぁ、行くぞ。また、あの場所へ帰るぞ。」

リュウガが指差した場所には、あの懐かしいシリウス号。

リュウガと○○は、互いに指を絡ませ、シリウス号を目指し、丘を下って行く。

二人の指には、煌く夕日が反射し、一段と輝きを増していた。



end
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