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□番外編・バレンタイン王国
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ep.1

ハヤテと一緒に港に降り立った私は、バレンタイン王国の城下町を目指して歩き始めた。

○○
「こんなに大きな港なのに、すごく静かだね」

ハヤテ
「ああ、全く人の気配がしねー」

○○
「みんな、どこに行っちゃったんだろ?」

ハヤテ
「どこに行ったといやぁ、あの案内人の奴はどこに行っちまったんだ?」
「世界一のチョコをプレゼントしてくれるんじゃなかったのか?」

○○
「そんなにチョコ好きだったっけ?ハヤテ・・・」

ハヤテ
「何言ってんだよ?」
「世界一だぞ?世界一!」
「世界一の剣士を目指す俺としちゃあ、世界一と聞いたら、黙っておけねーだろう?」

○○
「そっか。ハヤテはチョコよりも、世界一に惹かれたのか・・・」

(世界一って言葉に、目をキラキラ輝かせちゃって・・・。なんだか子供みたいで、カワイイ)

ハヤテ
「そう言えば、お前、チョコ作るんだろ?」

○○
「・・・う、うん」

ハヤテ
「そんな、世界一のチョコなんて貰って、作ったらよ」
「その・・・あの、なんだ?」

○○
「・・・何?」

ハヤテ
「いや、だからよ、ホラ、そのチョコ貰ったヤツ、すごく喜ぶんじゃねーかと思ってよ」


(選択してください)

A.喜ぶと思う
B.喜んでくれるかな?
C.喜んでくれなくてもいい


・・・・・Bを選択・・・・・


○○
「どうだろう?喜んでくれるかな?」

ハヤテ
「そんなもん、喜んでくれるに決まってるだろう?」

○○
「そうかな?」

ハヤテ
「なんだよ、不安なのか?」

○○
「だって、男の人ってチョコ好きじゃない人も多いでしょ?」

ハヤテ
「まあ、そうかも、な」

○○
「・・・」

ハヤテ
「でも、シリウスに乗ってるやつらなんて、食えるもんだったら、何でも喜ぶんじゃねーのか?」

○○
「そんな、何でもいいみたいに・・・」

ハヤテ
「う、・・・ゴメン」
「・・・でも大丈夫だって!」
「そいつは絶対喜ぶよ。いや、喜ぶに決まってる!」
「つーか、喜ばねーと、オレが承知しねー!!」

○○
「・・・ありがとう」

ハヤテ
「お、おう・・・?」

○○
「・・・」

ハヤテ
「・・・・・・」
「で、でも、アレだな!」

○○
「何?」

ハヤテ
「お前、アレだろ?手に入れたチョコを使って手作りするんだろ?」

○○
「・・・うん。一応、トリュフを作るつもりだけど・・・」

ハヤテ
「ふーーん」
「・・・あ、でもアレじゃねーか?」
「お前が作ったら、大砲の弾みたいなデカいカタマリになって、喰えねーんじゃねーか?」
「誰だかしれねーけど、貰う奴は、カワイソーかもしれねーな?」

○○
「ハヤテ、ひどい!」

ハヤテ
「・・・・・・」

○○
「ハヤテ、聞いてるの?!」

ハヤテ
「どうやら、城下町に着いたみたいだな!」

○○
「・・・もう」


ハヤテ
「周りを見てみろ」

○○
「うわぁ、銅像が沢山並んでるねぇ」
「アレ?この銅像、チョコの匂いがする」

ハヤテ
「・・・」

○○
「チョコで出来てる像なんて、珍しいね」

ハヤテ
「これは、像なんかじゃねーな」

○○
「像じゃない?どういうこと?」

ハヤテ
「よく見てみろ。これは人間がチョコの姿に変えられたんだ」

○○
「そんな・・・」

ハヤテ
「シッ!」

ハヤテが大きな手で私の口を塞ぐ。

○○
「ンググッ」

ハヤテ
「人の声がする」

○○
「え?」

??
「ガトー!お前の好きにはさせないぞ!

○○
「ホントだ・・・」

ハヤテ
「行ってみるぞ!」


私達が声のした方へ行ってみると、そこで2人の男が戦っていた。

ハヤテ
「あの男、さっきの案内人だな」

○○
「ホントだ。仮面は取ってるけど、服装が同じ・・・」

ハヤテ
「チッ、あいつ、やられそうじゃねーか・・・」

○○
「どうするの?」

ハヤテ
「よくわからねーけど、とりあえず、助けに行ってやるか!」

○○
「気を付けて、ハヤテ!」

男が倒れている案内人にさらに斬りかかろうとする。

その剣を、ハヤテの剣が受けた!

ハヤテ
「どういういきさつかはわかんねーけど、オレは今、コイツに死なれちゃ困るんだわ」

案内人
「あなたは・・・」


「クッ、今さら何人助けを呼んだ所で同じですよ、王子!」

男は城の方向へ走って行った。

案内人
「ガトー!」

ハヤテが手を差し出し、案内人を立たせる。

ハヤテ
「どうやら、オレ達をここへ連れて来たのは」
「福引に当たったからって訳じゃないみたいだな」

案内人
「・・・」

ハヤテ
「事情を話して貰おうか?」


案内人
「・・・私はこの国の王子、オペラ」

○○
「王子様、なんですか?」

オペラ
「ああ」

ハヤテ
「この国はなんだって、こんなことになっちまったんだ?」
「人もイヌもネコも、みんなチョコになってるじゃねーか」

オペラ
「そうなんだ。王様である父もこの国の大臣たちも皆」
「さっきの男、ガトーにチョコにされたんだ」
「ガトーはこの国の執事だった・・・」

ハヤテ
「あれだけの人数をチョコに変えるなんて、そんなこと出来るのか?」

オペラ
「ああ・・・。この国の王家に伝わる『禁断の書』さえあれば、出来る」

○○
「・・・『禁断の書』?」

ハヤテ
「だけど、ガトーは何だってそんなことをしたんだ?」

オペラ
「ショコラを自分のモノにするためだ・・・」

ハヤテ
「ショコラ?」

オペラ
「10日前、私と結婚するはずだった女性だ」
「彼女は我が王家と繋がりのある名家の出身のお嬢様でありながら」
「人気の歌い手でもあった」
「親同士の話し合いの結果、私と彼女は結婚することになっていたんだ・・・」

ハヤテ
「ずいぶんヒトゴトだな」

オペラ
「・・・」

○○
「じゃあ、ガトーさんはそれをよく思わなかったんですね?」

ハヤテ
「よく思わないって、どーしてだよ?」

○○
「だって、王子とショコラさんは親同士が決めたから結婚するって・・・」
「きっとガトーさんはショコラさんのことを・・・」

オペラ
「ああ、キミの言う通りだ」

ハヤテ
「は??」

オペラ
「しかも・・・ガトーだけでなく、ショコラもガトーのことを慕っていたらしい」

ハヤテ
「・・・ん?だったら、2人は両思いだったってことか?」

オペラ
「2人はその事に気付いていないようだったがね」
「だが、それを私が知ったのは、もう国中に婚約披露をした後だった」

○○
「・・・遅すぎたってことですか?」

オペラ
「ああ。王子が執事に婚約者を奪われるなど、あってはならないことだ」

ハヤテ
「じゃあ、自分のプライドを守るために、乗り気じゃねー結婚をしようとしてたのか?」

オペラ
「王家の為だ。仕方ないだろう・・・」
「出来ることならば、もっと早くに知りたかった・・・」

ハヤテ
「・・・・・・」

(きっと王子も悩んだんだろうな・・・自分だって乗り気じゃない結婚な上)
(相手に重い人がいたなんて)
(でも、確かに王子様が国民に“やっぱりやめます”なんて言うの、難しいよね)

オペラ
「ガトーはそれを止める為に、『禁断の書』に書かれたチョコをショコラに食べさせたんだ」

○○
「そうするとどうなるんです?」

オペラ
「チョコを食べさせたものと、食べた物が呪いを受ける代わりに・・・」
「次の満月の夜、2人が両思いになれるという伝説がある・・・」

○○
「呪いって、いったいどんな・・・」

オペラ
「ショコラは彼女の声を聞いた者を・・・」
「ガトーは彼が見つめた者をチョコに変えてしまうという呪いだ」
「結婚式の前夜、ショコラのリサイタルを国中の者が楽しみにしていた」
「呪いがかけられたことを知らないショコラはそのステージで歌い、そして・・・」

ハヤテ
「みんながチョコにされちまったってわけか・・・」

オペラ
「呪いはそれだけじゃない。チョコになった者を触ってしまった者もチョコに変わるんだ・・・」

○○
「それでこの国はみんなチョコレートに・・・」

ハヤテ
「納得いかねーな」

○○
「そうだよね。それで国にみんなが犠牲になるなんて・・・」

ハヤテ
「そうじゃねーよ」

○○
「そうじゃない?」

ハヤテ
「もちろん、みんなが犠牲になるのは許せねーけどよ」
「その前に、オペラ、お前の考え方が気にいらねーよ」

オペラ
「・・・どういうことだ?」

ハヤテ
「自分が乗り気じゃない結婚相手に、両思いの男がいたんだろ?」
「それが分かってんのに知らないフリして諦めさせるなんて、オレには全く理解できねーよ」

オペラ
「私は、王子なんだ・・・」
「婚約破棄なんて、国民にどんな顔をして言えば・・・」

ハヤテ
「つーか簡単に言えば、自分のプライドのためだろ」

オペラ
「!!」

ハヤテ
「それって幸せなのか?姫も、お前も!!」
「自分の気持ち、捻じ曲げちまってねーか?」

オペラ
「自分の気持ち・・・」

ハヤテ
「プライド捨てて考えてみろよ!」

オペラ
「プライドを捨てて・・・」

ハヤテ
「どうなんだよ?」

オペラ
「・・・・・・私は・・・」

○○
「王子・・・」

オペラ
「執事の、ガトーには・・・長い間世話になっている。出来ることなら、幸せになってほしい」

ハヤテ
「おお。で?」

オペラ
「姫も・・・きっと、私ではなく、ガトーと一緒になった方が幸せだろうな」

ハヤテ
「お前はどうなんだよ」

オペラ
「私は・・・」

ハヤテ
「思ってること、あんだろ?」

オペラ
「私は・・・私だって、きっと、本当に愛する人とめぐり会う権利があるはずだ!」

ハヤテ
「だっろー?それが答えだ」

オペラ
「・・・ああ。大切なものが何なのか、ようやく気付いたよ」

ハヤテ
「へっ、気付くのが遅せーんだよ」

オペラ
「キミと話せてよかった。私はこの結婚を取りやめる」
「私のくだらないプライドのせいで、多くの国民に迷惑をかけることになってしまった・・・」

ハヤテ
「呪いを解く方法はねーのか?」

オペラ
「『禁断の書』には呪いを解く方法も書かれているはずだが・・・」

ハヤテ
「なら、その『禁断の書』とやらを、さっさと手に入れちまおうぜ」

オペラ
「この国を救う手助けをしてくれるのか?」

ハヤテ
「ああ、オレは海賊だからな。乗りかかった船から降りるようなことはしねー」
「いいよな?○○」

○○
「もちろん!」

オペラ
「ありがとう」
「やはり、あの時、君達を連れて来たのは正解だったな」
「キミたちなら、この国を救ってくれると思ったんだ」

ハヤテ
「やっぱり、始めからそのつもりだったんだな」

オペラ
「すまない」

ハヤテ
「いいよ。気にすんな」
「それより、『禁断の書』はどこにあるんだ?」

オペラ
「城の中のどこかに隠されているはずだ・・・」

ハヤテ
「よし、なら手分けして探そう」

オペラ
「だが、ガトーにだけは気を付けてくれ」
「ガトーは私が助っ人を連れて来たことを知ってしまった」
「もし、ガトーに見つかれば、キミたちもチョコにされてしまうかもしれない・・・」

○○
「でも、オペラ王子が引き下がることを決めたって伝えれば、わかったくれるんじゃ・・・」

オペラ
「話してわかって貰えるかどうかはわからない」
「ガトーにも、この国をここまで追い込んでしまったという思いがあるはずだ・・・」

ハヤテ
「大丈夫だ。きっと、うまく行く!な、○○」

○○
「うん!」

(なんでだろう?ハヤテにそう言われると、本当にうまく行くような気がする)

オペレ
「頼もしいな」

ハヤテ
「じゃあ、行くか?」

○○
「待って。オペラ王子、腕から血が出てる・・・」

オペラ
「さっき、ガトーに斬られたんだ・・・」

○○
「手当てしないと・・・」

オペラ
「お願いできるかな?」

○○
「はい!」


私はオペラ王子の腕のケガの手当てを始めた。

○○
「痛みますか?」

オペラ
「いや、大丈夫だ。それより、キミ、とてもかわいいね?」

○○
「ええっ、そんな・・・」

オペラ
「この国に、残る気はないか?」

ハヤテ
「おぉい、オペラ!」
「お前はたった今、婚約を破棄するって決めたばかりの人間だろうがっ!?」

オペラ
「え?言ったじゃないか。だからこそ、私は自由に恋をする権利を持ってるんだよ?」

ハヤテ
「うが〜〜っ!!」
「だからって、人の女に手ぇ出すんじゃねーよ!」
「こっちに来い○○!」
「コイツ危険だ!!」

オペラ
「何処が危険なんだよ、私は王子だよ?」
「キミのほうがよっぽど危険人物だね、フフ」

○○
「あ、あはは・・・」

ハヤテ
「こいつ・・・!!やっぱウジウジしてろーーーッ!!」
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