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□番外編・幽霊船
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〜プロローグ〜

(これは、まだ旅の途中・・・)
(私にとって大切な人が誰なのか、まだはっきり分かっていなかったころの物語・・・)
(その日、シリウス号は白い霧につつまれていた)

船長
「どうだ、シン」

シン
「困りましたね。こうも視界が悪いと、うかつに先には進めません」

船長
「とりあえず、この霧が晴れるまで減速するか」

ハヤテ
「んだよダルいなぁ!ガンガン進もうぜ!」

トワ
「だ、ダメですよ!下手に進もうとして、どこかの船と接触したらどうするんですか!」

ハヤテ
「そん時ゃそん時で考える!」

ナギ
「・・・それにしても、すごい霧だな」

ソウシ
「そうだね。こんなにひどいのは、久しぶりかもしれない・・・」

○○
「なんだか、幽霊船とか出てきそうですよね」

トワ
「幽霊船!?」

ハヤテ
「おお、お前・・・めったなこと言うなよ!」

○○
「え?」

シン
「クク・・・さっきまでめでたいコト言ってた誰かさんが涙目になってるぜ」

ハヤテ
「ち、違ぇよ!これは潮風が目にしみて・・・」

ナギ
「室内だけどな、ここ」

ハヤテ
「ナギ兄まで!」

トワ
「ゆ、幽霊船なんてそんな怖いコトバ、口にしちゃダメですよ!○○さん!」

○○
「え?どうして?」

ソウシ
「・・・言葉というものは時に、本当にそれを招き寄せてしまうからね」

○○
「ま、まさか・・・迷信ですよ」

船長
「そうとも言い切れねーぜ、○○」

○○
「そんな、船長まで!」

船長
「世界の海の至る所に、謎は転がり落ちてるもんだからな」
「たとえば、そうだな・・・お前は『不老不死の海賊たち』の話を聞いたことがあるか?」

○○
「不老不死?」

船長
「ああ、そうだ。昔、ある海賊団が『不老不死の指輪』なるものを手に入れたそうだ」
「最初は街の市場で売り飛ばすつもりだったか」
「誰かに譲るつもりだったからしいんだが」
「ある日、指輪を入れていた箱が空っぽになっていた」

ソウシ
「誰かが盗んだってことですか?」

船長
「まぁ、普通そう考えるよな?」
「そこで、すぐさま『アイツがあやしい』『いや、アイツが疑わしい』と大騒ぎ」
「最後は仲間同士で殺し合いになって・・・」

○○
「殺し合いになって・・・?」

船長
「不老不死の海賊団になって、今でも海をさまよっているって話だ」

○○
「・・・」

ソウシ
「・・・」

ナギ
「・・・・・・」

シン
「ずいぶんアバウトな噂ですね」
「殺し合いのあと、何がどうなって、不老不死の海賊団になったんですか」

船長
「知るか!ハハッ!」

ソウシ
「『知るか』って、そんないい加減な・・・」

船長
「知らねーもんは知らねーんだからしょうがねーだろうが」
「それに所詮は噂だ。どこまでが本当でどこまでがウソかなんてわからねーよ」
「とにかく、不老不死の指輪を手に入れた海賊は、指輪をなくして」
「仲間同士で殺し合いになって、最後は自分たちが不老不死になって」
「今でも海をさまよってるってわけだ」

(なんだかいい加減な噂だなぁ)

ハヤテ
「ハ・・・ハハ・・・・・・そんなのウソだ!ウソっすよね、船長!」

トワ
「ぼ・・・ぼくも信じません!そんなの、絶対にありえませんよ!」

(あっ、この2人絶対信じてる・・・)

船長
「ほぉ・・・」
「そういえば、その幽霊船の海賊たちは、自分たちの身体を若く保つために」
「若い海賊の生き血を探してるって聞いたぞ?」

ハヤテ・トワ
「(ビクッ)」

船長
「ちょうど、ハヤテやトワくらいの、活きの良さそうなヤツらのな・・・」

トワ
「わああああっ」

ぎゅっ!

○○
「キャッ!トワくん!?」

ハヤテ
「お前!なにどさくさにまぎれて、○○に抱きついてるんだよ!」

シン
「離れろ!さもないと、海に放り込むぞ、トワ」

トワ
「ひぃぃ・・・お2人とも怖いですっ!」

ソウシ
「こらこら、トワを脅すんじゃない」
「トワだって、わざと○○ちゃんに抱きついたわけじゃないだろ?」
「ね?トワ?そうだね?」

シン
「ドクター・・・目が笑ってないです・・・」

ナギ
「・・・そろそろ昼食の時間だな。トワ、手伝え」

トワ
「あ、はいっ!」

ナギ
「お前はまず倉庫から干し野菜の樽と、漬け物の樽と・・・肉と、干した魚も運んでこい」

トワ
「え?それ全部一人でですか!?」

ナギ
「文句言うな。1つたりとも忘れず持って来いよ」

トワ
「ううっ・・・いじめかも・・・っ」

バタン!

ナギさんとトワ君は部屋を出て行った。

ハヤテ
「ったく。気軽に○○に触りやがって、なぁ!」

○○
「えっと・・・」

シン
「って言いながら、なんで今度はお前が、気軽に○○に触ってるんだ」

ハヤテ
「はぁ?肩触っただけだろ?」

シン
「いい度胸だな、お子ちゃまのくせに」

ハヤテ
「なんだと!」

ソウシ
「○○ちゃん、こっちおいで。あの二人のそばにいると、危ないから」

○○
「あ、はい・・・」

船長
「ハハハ。お前ら下らんケンカしてるとソウシに奪われるぞ?」

ドーーーン!

ハヤテ
「な・・・なんだ!?」

ソウシ
「まさか、船がなにかと接触したんじゃ・・・」

船長
「シン!今すぐ確認しろ!」

シン
「了解です」
「・・・くそっ。霧で視界が・・・!」

バタン!

トワ
「船長!リカー海賊団が!!」

ロイ
「リュウガ!リュウガ〜!出てこい!」

船長
「ちっ。まーたアイツらか」

ロイ
「ハハハ。元気そうじゃねーか、リュウガ」

船長
「どうせ見るなら、美女の顔がみたいぜ」

ファジー
「アタイを呼んだかい?女たらしのリュウガ!」

船長
「おお、ふくよかな女!若干路線が違うが、ないよりマシか!」

トム&コリン
「ロイ様、ご指示を!」

ロイ
「そんなの、決まってるだろう!今日こそ、アイツらと勝負をつけてやる!」

(リカー海賊団が、船に乗り込んできた!)

ハヤテ
「お前の相手はオレだ、ブタ野郎!」

ファジー
「ハッ!アンタなんか相手にならないよ、こわっぱ!」
「フン!フン!フン〜〜!!」

ドスドスドス!

ハヤテ
「負けるか、この野郎!」
「おらあああっ!くらえっ!」

ソウシ
「は・・・ッ」

バキバキッ!

海賊1
「う・・・っ」

ソウシ
「肩の関節を外しておきました。早く船に戻りなさい」

海賊1
「くそ・・・っ」

シン
「あいかわらず、お優しいですね、ドクターは」

ソウシ
「シンこそ。今日はずいぶん大人しいようですね」

シン
「最近、船の上ばっかりで、身体がなまってるんですよ・・・」
「・・・っと」

バァン!

シン
「ったく。不意打ちで襲ってくるなら、気配ぐらい消してろって」

トム
「それ!」

コリン
「えいっ」

トワ
「うわぁ〜っ、なんで僕だけ二人がかりなんですか?」

バシュッ!

トム
「うわ!」

コリン
「鎖鎌!?」

トワ
「ナギさん!ありがとうございますっ!」

ナギ
「こんな連中、早く片付けろ。うるさすぎて、料理に集中できねぇ」

ロイ
「ふん・・・あいかわらず、腕だけは鈍っちゃいないようだな、リュウガ」

船長
「あいにく、俺がやられると、世界中の港にいる女たちが泣くんでね」

ロイ
「そのめでたい頭も、あいかわらずのようだ・・・な!」

船長
「おおっと!」

バキッ!

○○
「キャアッ!」

ロイの繰り出した剣の切っ先が、私の肩をかすめて、船のヘリを傷つける!

船長
「おいおいおい。俺の大事な船を傷つけねぇでくれよ?」

ロイ
「それを言うなら『大事な女』じゃねーのか?」
「船の上で女を背中に庇って戦うなんて、お前にしちゃ珍しいじゃねぇか」

船長
「仕方ねーだろ。この女に何かあると、うちの連中がうるせーんだ」

ロイ
「ふーん・・・」

ジロジロと上から下まで見られる・・・

○○
「な、なんですか?」

と、そのとき。

強い風が、甲板の上を吹き抜けた。

ヒュウウウ・・・!

船長
「・・・変だな」

あっという間に甲板は真っ暗な霧に包まれてしまった。

(何これ全然前が見えない・・・!)

ナギ
「船長!」

船長
「その声はナギだな?どうした?」

ナギ
「船がもう一艘近づいてきます!」

船長
「船だと?」

霧の向こうに大きな船の陰が浮かんでは消える・・・。

○○
「すごい・・・大きな船・・・」

ロイ
「なんだぁ?どこの連中のだ?」

○○
「北斗七星みたいな旗がついてますね・・・」

船長
「北斗七星だと?」

ナギ
「知ってるんですか、船長」

船長
「・・・おそらく幽霊船だ」

○○
「ええッ!?」

船長
「さっき、話しただろう?不老不死の海賊団がいる幽霊船の話を」

○○
「は、はい」

船長
「その船はな、北斗七星の旗を掲げていたらしいんだ」

(じゃあ、あの近づいてくる船って、本物の幽霊船!?)

ナギ
「ったく。お前が“幽霊船”なんて口に出すから・・・」

○○
「そんなっ!私のせいですか!?」

船長
「ハハハッ!それ言うなら『お前のおかげ』だ、○○!」
「ナギ、全員に伝えろ。今すぐあの船に乗り込むぞ!!」

○○
「ええッ!?」

ナギ
「本気ですか船長・・・」

船長
「当たり前だろうが!こんなチャンスは滅多にねぇ」
「絶対に『不老不死の指輪』を見つけ出して、高値で売りさばいてやる!急げ!」

ナギ
「・・・了解」

ロイ
「おい、今のは聞き捨てならねぇな、リュウガ」
「オレたちの勝負は、まだ終わっちゃいねぇぜ?」

船長
「ちっ。お前との勝負は、いつでもできるだろうが」

ロイ
「いつでも、だと?ずいぶん悠長だな、リュウガ」

船長
「ったく。ヘビのうようにしつこいな、お前ってヤツは」

(船長がロイと戦っている間に、みんなが集まってきた)

ハヤテ
「船長!幽霊船が出たってマジっすか?」

シン
「本当らしいぜ。ホラ、見てみろよ」

ハヤテ
「うわっ!デカッ」

トワ
「ほ、本物の幽霊船だ」

ナギ
「もし噂が本当なら・・・こいつの中に・・・」

ソウシ
「参りましたね。このタイミングで幽霊船があらわれるだなんて」

船長
「おお!来たか、お前ら!」

ソウシ
「船長、本気なんですか?あの幽霊船に乗り込むなんて」

ハヤテ
「えええッ!?の、乗り込む?マジっすか?」

船長
「当然だ!こんなウマい話が他にあるか!」
「行くぜ、野郎ども!」

ファジー
「そうはさせないよ!」

ドスンッ!

船長
「ぐえっ」

ファジー
「アンタは、今日こそアタイとロイ様がやっつけるんだ!」
「ですよね?ロイ様」

ロイ
「そのとおりだ」

船長
「だからって、何もその肉団子みぇな身体で体当たりしねぇでも・・・」

ファジー
「なんだってぇ?」

ゴツンッ!

船長
「ぐわっ」

○○
「船長!」

ハヤテ
「てめぇ・・・船長に頭突き食らわせやがって!」

ファジー
「なんだい、アタイとやる気かい!?」

船長
「バカ、お前らこっちに来るな!お宝を逃す気か!」

ハヤテ
「でも・・・!!」

シン
「たしかに急がないと、船が通り過ぎちまうな・・・」

トワ
「船長っ!ここはボクが食い止めますっ!」

船長
「いや、コイツらは俺が相手をする。トワ!お前も行ってこい!」

トワ
「は、はいっ!」

船長
「お前らとっとと幽霊船に乗り込んで、指輪を奪ってくるんだ!」
「○○!お前もアイツらの手助けをしてこい」

○○
「え?私も?」

船長
「お前もシリウス海賊団の一員だ。アイツらと一緒に、ひと稼ぎしてこい!」

○○
「わ、分かりました!」

ファジー
「そうはさせないよっ」

(ファジーが、何かを放り投げた!)

バフッ!

ハヤテ
「うわっ!ゲホッ、ゲホッ!」

シン
「クソッ・・・何だこれは?」

ソウシ
「まさか発煙筒!?」

ナギ
「ちっ、煙で前が見えねぇ」

船長
「このままじゃ幽霊船を見逃しちまう!」
「幽霊船に飛び乗れるヤツ!誰でもいいから飛び乗れ!」

ファジー
「逃がすものか!リュウガをやっつけたあとは、アンタらをじっくり料理してやるよ!」

ハヤテ
「ふざけんな!肉団子に料理されてたまるか!ゲホゲホゲホッ」

○○
「ゲホッ、ゴホッ・・・」

(どうしよう!みんなどこにいるの!?)

ハヤテ
「○○、こっちだ!」

シン
「○○、置いていくぞ!」

ソウシ
「○○ちゃん、どこだい?」

ナギ
「○○!どこにいる!?」

トワ
「○○さん!大丈夫ですか!」

(煙の向こうから聞こえてくる、5人の声・・・)
(誰の声の聞こえる方向に進もう!?)



→ハヤテver.
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