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□番外編・バレンタイン王国
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プロローグ

シリウス号は物資補給のために、パティシエという港町に停泊していた。

船長
「久しぶりの港町だな!」
「あとでアレがねーコレがねーって騒がねぇように、各自補給を怠るなよ!」

ソウシ
「いくつか調達したい薬があったんだ。ちょうどよかった」

ハヤテ
「ナギ兄!今回の食材の買い出しメモはこれだけか?」

ナギ
「ああ。あとはオレが直接、市場に行って仕入れてくる」

ハヤテ
「わかった」
「つーことで、頼んだぜ、トワ」

トワ
「ええっ。どうして僕なんですか?」
「僕は雑貨を買ってくるだけで手一杯ですよ!」

ハヤテ
「ついでに買ってくればいいだろ?」

トワ
「ついでにって・・・こんなに持てませんよぉ〜・・・」

トワくんが食材のメモと雑貨のメモを両手に溜息をついている。

○○
「トワくん、私が一緒に行こうか?」

トワ
「え!そんな・・・○○さんと買い出しなんて・・・」
「すごく嬉しいですけど・・・」

シン
「○○はオレの酒の相手をすることになってるんだ」
「トワ、お前は一人で行ってこい」

○○
「シンさん?そんな予定ありましたっけ・・・」

シン
「今、オレが決めた」

○○
「・・・・・・」

ハヤテ
「勝手なこと言ってんじゃねーよ、シン」
「○○はオレと・・・えーと・・・街の視察だ!」

シン
「視察?そのガサツな性格で何を視察するって言うんだ?」

ハヤテ
「帝国の手下が街にいねーかとかだよ!」
「そういう下調べも大事ですよね!船長!」

船長
「んあ?ああ・・・そうだな」
「一番大事なのは、この街で最高の酒場と女を見つけることだけどな!」

ナギ
「○○は市場の食材選びを手伝え。好きなものを仕入れてやる」

○○
「えっ、本当ですか?」

ハヤテ
「食べ物でつるなんて、ズルイぞ!ナギ兄っ」

ソウシ
「困ったな・・・」
「○○ちゃんには必要な薬を一緒に見てもらおうと」
「思ってたんだけど・・・」

○○
「えと・・・どうしよう・・・」

(全部の用事に付き合うのは無理だよね・・・)

私が困ってみんなの顔を見上げると・・・リュウガ船長が私の隣に立った。

船長
「おら!お前ら、○○を困らせてるんじゃねーよ」
「自分の仕事を忘れるな!」

○○
「リュウガ船長・・・」

船長
「○○、お前は街になんか用事あんのか?」
「あるなら先にコイツらに言っとけ」

(あ、そうだ!)
(バレンタインが近いから、チョコレートを買いに行きたかったんだ・・・)

○○
「実は・・・チョコを・・・バレンタインの・・・」

一同
「チョコ!?」

ソウシ
「そうか・・・もうそんな季節だったね・・・」
「男ばかりの船じゃ気にしたこともなかったけど・・・」

トワ
「あの・・・○○さんは誰にチョコレートをあげるんですか?」

○○
「え、えっと・・・それは・・・」

(いつも私を助けてくれて頼りになる・・・彼なんだけど・・・)

船長
「なんだ!オレのか!?カワイイ奴だなぁ」

○○
「ええっ!?」

リュウガ船長が私の肩を抱き寄せる。

○○
「あ、あの・・・船長・・・」

ハヤテ
「船長、早とちりはカッコ悪いっすよ。オレに決まってるでしょ」

シン
「アホが。お前のワケないだろ」
「○○、甘過ぎないのにしろよ」

○○
「え・・・あ・・・」

ソウシ
「私は気持ちだけで十分だよ」

ナギ
「チョコがほしいなら、さっさと買い出しに行くぞ」

○○
「そういえば、シリウス号のチョコレートもストックがないって」
「言ってましたよね」

ナギ
「ああ。だから、ちょうどいいだろ」

トワ
「僕は・・・逆チョコっていうのをしてみようかな・・・」
「男から女性にあげてもいいって聞いたことあるし・・・」

○○
「あの・・・」
「でも、知らない街でチョコレートを売ってるお店を見つけられるか心配で・・・」

ハヤテ
「ふうん・・・○○は方向音痴だからな」
「見つけたら教えてやるぜ!」

シン
「フン・・・いちいち手間のかかるヤツだ・・・」

ナギ
「市場に行けば大抵のものは手に入る」

ソウシ
「大通りを見つければ、お菓子屋さんがあるかもしれないね」

トワ
「僕、買い出しのついでに探してみます!」

○○

「すみません。みんなよろしくお願いします」

船長
「よし!チョコレートのためにも、お前ら街に行ってこい!」
「オレは酒場で待ってるからな!」

(みんなに渡せば、丸く収まるよね・・・?)

シリウス海賊団はパティシエの街に入っていった。


ところが・・・この街のどこに行っても、チョコレートは見つからなかった・・・。

○○
「私の探し方が悪いのかな・・・」

ソウシ
「○○ちゃん!」

ソウシさんが商店街の方からやってくる。

ソウシ
「チョコレート見つかった?」

○○
「それが、全然・・・」

ソウシ
「やっぱり・・・この地方はカカオの流通が規制されてるみたいなんだ」

○○
「そうなんですか?だから、どこに行ってもチョコレートが・・・」

ソウシ
「うん・・・」
「残念だけど、この街でチョコを見つけるのは難しいかもしれないね・・・」

ハヤテ
「○○!」

ハヤテさんが手を振って走ってくるのが見えた。

ハヤテ
「○○!そこの福引きでチョコが一年分当たるみたいだぜ!」

トワ
「もう!見つけたのは僕なのに!待ってくださいよー!」

○○
「ハヤテさん、トワくん・・・」

トワ
「福引きってヤマトで有名なイベントなんですよね!?」

○○
「うん・・・。この街でも福引きなんてやってるんだ・・・」

ハヤテ
「あのガラガラ回すヤツで賞品を決めるんだろ?」
「ルーレットの親戚みたいなもんだな」

ソウシ
「でも・・・チョコレートはこの辺りでは貴重なもののはず・・・」
「それが一年分・・・?」

○○
「とりあえず、行ってみましょうか?」

ソウシ
「そうだね。けど、少し警戒した方がいいかもしれない・・・」

(ソウシさんの言う通り、貴重なチョコが一年分って・・・)
(福引きの賞品にしては豪華な気もするけど・・・)

私たちはハヤテさんとトワくんの案内で福引きの場所に行ってみることにした。


福引きの屋台には仮面をかぶった男の人が立っていた。

福引き屋
「いらっしゃい。この街で買い物をされたなら、ぜひ福引きを!」
「一等はチョコレート一年分ですよ!」

○○
「福引きには福引き券が15枚必要って書いてありますけど・・・」

トワ
「あ、僕、雑貨を買った時に3枚もらいましたよ」

ソウシ
「私も薬を買った時に3枚」

ハヤテ
「オレは野菜を買った時に2枚もらったけど・・・」

○○
「これじゃ足りませんね・・・」

ナギ
「ここに4枚ある」

○○
「ナギさん!」

市場で買い物を済ませたナギさんが魚を片手に福引き券をくれる。

○○
「これで12枚・・・」

トワ
「あと3枚ですね」

シン
「これをやる」

○○
「シンさん!」

シン
「酒を買った時にもらった券だ。これで足りるだろう?」

○○
「はい!ありがとうございます」

シン
「一等が一年分のチョコで二等がラム酒のタルか」
「○○、二等あてろ」
「それ以外だったら・・・どうなるか、わかってるな」

○○
「あの・・・私はチョコがほしかったんですけど・・・」

シン
「オレはチョコより酒の方がいい。どうせなら、オレの好きなものをよこせ」

福引き屋
「15枚揃ったようだね!さあさあ!お譲さん、どうぞ!」

○○
「は、はい・・・」

トワ
「頑張ってくださいね!○○さん!めざせ一等ですっ!!」

ハヤテ
「絶対になんか当てろよ!!」
「お?四等、生ハム・・・?」
「おい、これ当てろよ○○!!」

ソウシ
「肩の力を抜いてね。でも勿論、残念賞の飴玉でもいいとおもうよ」

ナギ
「・・・三等の海の幸セットでもいいぞ」

シン
「ラム酒のタルしか認めないからな」

(そ、そんなにいろいろ言われたら、プレッシャーが・・・!)

緊張で震える手で、私は一気に福引きの機械を回す。

○○
「えいっ!」

トワ
「出た玉の色は・・・」

ハヤテ
「茶色?茶色って何等だよ」

福引き屋
「おめでとうございます!特別賞です!」

ナギ
「特別賞?」

シン
「そんなの書いてないぞ」

福引き屋
「特別賞はバレンタイン王国へのご招待!」
「世界一のチョコレートでアナタ方をおもてなし致します!」

私は福引き屋さんから、特別賞と書いてある封書をもらった。

福引き屋
「それを持って、港にいらしてください」
「バレンタイン王国にご案内しますよ」

バレンタイン王国の言葉に顔を見合わせながら、私たちは一度、船長の待つ酒場に戻ることにした。


酒場では早くもリュウガ船長が酔っぱらっていた。

船長
「んー?福引きでバレンタイン王国への招待状が当たったって?」

○○
「はい。特別賞とかで・・・」

ハヤテ
「どうだ、オレのおかげだぜ?オレが福引きを見つけたんだからな!」

トワ
「見つけたのは僕ですよ!」

シン
「それに、○○が特別賞を当てたのはハヤテの力じゃないだろ」

ソウシ
「よかったね、○○ちゃん」
「とりあえず、チョコレートには会えそうじゃない?」

○○
「はい・・・。でも、バレンタイン王国ってどんなところなんでしょうか?」

ナギ
「さあな。だが、めずらしいチョコレートだったら、厨房にも回せ。いいな」

○○
「は、はい」

トワ
「あれ?皆さん。バレンタイン王国のこと知らないんですか?」

○○
「トワくんは知ってるの?」

トワ
「はい!バレンタイン王国はチョコレートですごく有名な国ですよ!」
「街にチョコレートの噴水があるそうです」

船長
「なんだか、胡散くせぇ国だな」

トワ
「そうでしょうか?夢があっていいと思いますけど・・・」
「それに、外部の人間は滅多に入国を許可されないって話ですよ」

ソウシ
「それは・・・ちょっと気になる情報だね・・・」

シン
「どうしましょうか?船長。行ってみますか?バレンタイン王国・・・」

船長
「ハッハッハ!」
「このシリウス海賊団が、そのご招待とやらを無下にできるわけねぇだろ!」

ドンっとリュウガ船長がテーブルに足を置いて笑う。

船長
「外部の人間が滅多に入れないところ・・・最高じゃねえか!」

シン
「では、決まりですね」

船長
「バレンタイン王国に出発だ!」

全員
「アイアイサー!」

(滅多に外部の人がこない、チョコレートで有名な国・・・)
(普通の国ならいいんだけど・・・)

特別賞の封筒を開けて、私たちはそこに記されている船着き場に、向かうことにした。


パティシエの街から用意された船でしばらく揺られて・・・、シリウス海賊団はバレンタイン王国の船着き場に着いた。

○○
「わあ・・・大きなお城がある・・・」

ソウシ
「○○ちゃん、ちょっと待って」

一歩踏み出した私の肩にソウシさんが軽く触れる。

○○
「どうかしましたか・・・?」

シン
「この国・・・普通じゃないな・・・」

○○
「え・・・?」

ナギ
「これだけ大きな城下町だっていうのに、人気が全然感じられねえ」

○○
「そういわれれば・・・」

(人の姿が全然見えない・・・)

ハヤテ
「おい!いつの間にか、案内役の福引き屋がいないぞ!」

トワ
「あれ!?さっきまでそこにいたと思ったのに・・・」

船長
「いいねえ・・・実に素晴らしい胡散臭さだ」
「お宝の匂いがプンプンしやがる。お前ら、手分けして探索だ」

シン
「了解です」

船長
「あー、○○は一人じゃ危ねぇから、誰かと一緒に行け!」
「いいな」

○○
「はい」

(誰と一緒に行こう・・・?)



→ハヤテVer
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