船医 ソウシ

□お仕置き
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足の爪を切る○○が不覚にも親指の爪を切り過ぎてしまい出血し、慌ててテュッシュで拭い、傷テープを巻いた。

その数時間後、足の親指がズキズキと痛み出し靴と靴下を脱いで確かめれば、親指の側面が赤く腫れ上がり、血が滲んでいる。

以前にも同じように深爪と出血を経験していた○○は、すぐに治るだろうと安易に考え、ブーツだと爪先が締め付けられ痛みが増すであろうと思い、少しゆったり目の靴に履き替えてから仕事に戻った。

いつものなら小走りでバタバタと動き回っている○○が今日は歩くのにも辛そうな感じがし、その姿を見たトワが心配顔で話しかけてきた。

「○○さん、どうしたんですか?大丈夫ですか?」

「トワくん、大丈夫だよ。」

「でも何だか歩くのが辛そうだけど本当に大丈夫ですか?無理はダメですよ。」

「トワくんの気のせいだよ。私なら大丈夫だから。早く、洗濯物取り込まないと・・・」

「そうですね、雨、降ってきそうな気配ですしね。」

「シンさんにしてはめずらしいね。雨、嫌いなはずなのに。」

「そうですよね。○○さんは、こっちから取り込んで下さい。僕は、あっちから取込みますから。」

「うん。」

トワと○○は、空模様を気にしつつ手早く洗濯物を取り込んでいく。

○○が大丈夫と言っているがトワは、足を引きずるような感じで洗濯物を取り込む姿を見ていると心配になり再度、○○に尋ねた。

「ねぇ、本当に大丈夫?足、引きずってるみたいだけど・・・」

「トワくん、大丈夫って言ってるじゃない。気にしすぎだよ。」

「気にしすぎじゃないって。ソウシ先生に診て貰った方が・・・」

「本当に大丈夫だから。」

そう言い切る○○にトワもそれ以上、何も言えなかった。
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