料理人 ナギ

□ナギに休暇を
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もうすぐ、ナギの誕生日。

たぶん、リュウガが誕生日と言う名目で宴を開くのは確実で料理人のナギが
ゆっくり出来る訳が無いのも目に見えている。

自分の誕生日ぐらい、ゆっくり休んで貰いたいと思った○○がリュウガに相談すべく船長室のドアを叩いた。

「船長、○○です。今、いいですか?」

「入れ。おぅ、どうした?」

大量の書類の山から顔を上げたリュウガがおだやかな目で○○を見つめた。

「どうした?話しがあるんだろ?そこに座ってちょっと待ってくれ。」

リュウガが指し示したのは、赤いベロアの椅子。

リュウガのお気に入りの椅子に○○がおずおずとチョコンと腰を掛け、リュウガの用が済むのを待った。


数分後

「おぅ、待たせて悪かったな。で、話しって何だ?」

「船長、もうすぐ、ナギの誕生日でしょ。その日、もしかして宴、しますか?」

「あぁ、もちろんだ!そうか・・・もう、誕生日かぁ・・・早ぇな。」

「船長、何一人、感慨に耽っているんですか?」

「いやぁな、お前がシリウスに来てナギの誕生日を祝うのは2回目だったな・・・と思ってよ。それにお前らが恋仲になってどれぐらい経ったかなと思ったらな。」

「・・・船長・・・年寄り臭いです。」

「おい、俺は、まだまだ、若いぞ!」

ふて腐れた素振りを見せるリュウガに○○が微笑んだ。

「船長、ふて腐れている場合じゃないですよ。話しの続きを聞いて下さい。」

「イヤだ。俺を年寄り扱いしたからなぁ。」

今度は、ニヤニヤしながら○○を見つめるリュウガは、自分の頬を指差し

「ここにチューしてくれたら聞いてやるぞ。」

「・・・船長・・・」

カァーっと真っ赤になった○○が「頬で良いんですよね?」と呟くと物凄いスピードでリュウガの頬にキスをし「船長、しましたよ!話し聞いてください!」と叫んだ。

「何かなぁ、色気も何も無かったな。」

「したのには変わらないですよ。」

「わかったよ。聞くから。で?」

「ありがとうございます。あのですね、ナギの誕生日当日、ナギに休暇を下さい!」

「ナギは、いらねぇって言うぞ。」

「だからね、そこは、ドーンと船長命令を下して頂ければ・・・」

「おいおい、そう簡単には船長命令なんて出せねぇぞ!」

「船長、四六時中、自分で船長命令出しているのに?お願い、船長。」

リュウガを拝むように両手を擦り合わせて「お願いします。」と懇願されれば、リュウガも
首を横に振る勇気が無かった。

「俺は、仏様じゃねぇんだ!拝むのはやめてくれ!」

手を振るリュウガに○○がウィンクしながら「お・ね・が・い。」と言えば
リュウガも目尻を下げ「出す。船長命令だろ!出してやるよ。」

○○が両手を挙げ、飛び上がらんばかりの喜びようにリュウガは(もっと早くに俺の物にすれば良かったなぁ)とつくづく感じた。
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