料理人 ナギ

□愛読書
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ベッドに一人座りナギの愛読書であるレシピ本を何気に開き食い入るように見つめる○○。
よっぽど食べたい料理があったのか口元が緩み、ヨダレが垂れてしまった。

「あっ。」

ジュルっとヨダレを啜り、口元を拭って再びレシピ本に視線を戻した。

ガチャっと音を立て部屋に入って来たナギにも気付かずに次から次へとページをめくり、その度に『あぁ、美味しそう。これ、食べたいな。』等言いながら。

「何、食いたいって?」

ベッドに乗って○○の背後に回りスッポリとナギの懐に抱え込むように座れば、ビックリした顔で振り返る○○にナギがギュッと腰を抱いた。




RAIRAさまから頂きました。
月と星の輝き


「どの料理が気に入った?」

耳元で囁く優しい声にウットリとし、ナギに身体を預けた○○。

「ナギ、これ。」

○○が指差した料理は、オートドックスなヤマト料理。

上品な盛り付けで色とりどりの野菜に肉料理にと品数が多く描かれており、いわゆる懐石料理。

「ナギ、作れる?」

「誰に言ってんだ?作れるに決まってるだろ。」

「来月の宴、これにして。いい?」

「ハヤテ、物足りねぇだろうな。」

「そっかぁ。」

「なぁに落ち込んでんだ?お前にだけ作ってやるよ。」

ナギが○○の手からレシピ本を取り上げ、そのまま抱きしめながらベッドに横になった。

これから始まる恋人の営みの予感に○○が真っ赤な顔をしたまま、ナギに身を任せた。



end

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