料理人 ナギ

□バスルームから目覚めた恋!?
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シリウスに乗って1週間が過ぎ、仕事を一生懸命に覚え、率先して色々な仕事を引き受けては、こなしていく○○。

1日の疲れを寝る前のバスタイムで洗い流し、週末のみ、バスタブに湯を張っての入浴。

ヤマト産まれのヤマト育ちの○○にとっては、湯に浸かるのが当たり前の生活から一転し、船では、シャワーのみ。
水は、貴重な物であり、節水しながらの日々を送る生活に戸惑い、気を遣いすぎてからか疲れも取れない日々が続いていた。

そんな姿を見ていたソウシがいち早く気付き、リュウガに相談し、週末のみ、バスタブに湯を張って良いと了解を得、それを船員達に伝えれば、○○が一番喜び、飛び跳ねていた。

「それにしても船長もドクターも○○を甘やかし過ぎです。水が貴重だと重々承知でしょ。」

「シン、○○ちゃんだけじゃないよ。湯船に浸かることによって血行も良くなるし、老廃物も放出するのにいいしね。それに病気の予防にもなるしね。週末だけだよ。」

「水が少なくなりゃ、どっかで補給すればいいだけだ!シン、そんなに気にするな!」

「はぁー、知りませんよ?すぐに無くなっても。」

シンは、呆れ顔でコーヒーを啜り、ギロリと○○を睨んだ。

「あ、あの・・シンさん?すいません。それでですね?湯船にお湯を張った翌日は、そのお湯を甲板掃除や洗濯に使いますから・・・」

「・・・当たり前だ。水は、貴重なんだ。きちんと使い回せ。分ったな?」

「は、はい!ありがとうございます。」

お風呂の湯を使い回すことでシンも渋々承諾し、船での生活に一つの楽しみが出来た○○だった。


〜週末〜

待ちに待った週末が来て順番に入浴していく。

「○○さん、お風呂空きましたよ。ゆっくり寛いで下さいね。」

「トワくん、ありがとう。」

○○の入浴の番になり、入浴の準備をし、部屋を出れば、タイミングを計ったようにソウシが医務室から顔を覗かせた。

「○○ちゃん、今からお風呂?」

「はい、ソウシさん。」

「じゃー、これ使って。リラックス効果のあるハーブで作った入浴剤。これでゆっくりお湯に浸かってね。」

「ソウシさん、ありがとうございます。」

ソウシから入浴剤を貰い、ウキウキしながらバスルームへと入り、手早く身体と髪を洗えば、バスタブに入浴剤を入れ、身体を湯の中に沈めた。

リラックス効果があるハーブのせいか、日ごろの疲れが一気に出たのかバスタブの中でウトウトしてしまっていた。

ガチャリと浴室のドアの音がし、○○が目を覚ました。

音のする方へ目をやれば、湯気の中からナギが真っ裸で立っている。

「「・・・あっ・・・」」

突然の出来事で○○の思考が停止し、悲鳴を上げることさえも忘れ、呆然と湯船の中からナギを見ている事しか出来なかった。

「・・・悪りぃ、すぐ出る。」

「あっ、ナギさん。ごめんなさい。私が長湯したから・・・あ、あの、も、もし、良かったら先に身体と髪、洗って下さい。その間、私、後ろ向いていますから・・・」

「・・・はぁ?いや、いい。俺は、出る。」

「じゃ、じゃー、私が出ます。」

○○は、何を思ったのかナギが背中を向ける前に勢いよく、バスタブから立ち上がってしまった。

ナギの顔がみるみるうちに一気に赤くなり、ソッポを向けば、○○が何も隠していなかったことに気付き、慌てふためいているうちに足を滑らせ、思わず、ナギに抱きついてしまった。

素肌同士が密着すれば、ナギも男。
全身の血液がある一点に集中しはじめている。

ナギも強引に○○を引き剥がせば、視界に裸体が映り、ムクムクと元気になり始めている所を○○に見られる。
どう対処しようか迷っているうちに○○が何かに気付いた。

「あ、あの・・・ナギさん。あ、あの・・こ、こ、このままだと・・」

「俺も男だ。裸の女に抱きつかれりゃ・・・な・・。」

「や、で、でも・・・そ、その・・・」

「・・・んなことするかよ。いいか?このままバックするからお前は、手早くタオルを取れ!わかったな?」

うんうんと首を縦に降り、二人、抱き合いながら後進し、漸く、○○がバスタオルを手にし、身体に巻きつけた。

「ナギさん、ごめんなさい。私、すぐに着替えて出ますね。」

「・・・俺の方こそ、悪かった。使用中の札も見ずに入っちまって・・・」

「いえ・・・でも、入ってきたの・・ナギさんで良かった。」

ニコッと微笑み、手早く身支度を整え、バスルームを出て行った。

ナギは、その後ろ姿に「・・・次、こんなことがあったら・・・襲うからな・・」と呟き、昂ぶってしまったものを落ち着かせるために頭から冷たい水を浴びるのだった。



end


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