Request & Memorial
□ずっと感じていたくて。
1ページ/2ページ
深夜2時。
獄寺は目が覚めた。
「(俺はどうして今まで…そうだ、思い出した。確か雲雀に抱かれて、そのまま気失っちまったんだ。)」
基本的に獄寺と雲雀は職業柄、逢瀬がとても重要な意味を持つ。
逢瀬は数少ないと共に、ああ、また逢えたな、ということがお互いの生存確認に直結してくるからだ。
もう次は無いかもしれない。
弱気になんかなりたくないが、事実だ。
だからこそ、俺達は逢瀬を大事にしていた。
数少ないからこそ、1回が濃厚になってくる。
別にそれが嫌いなわけではない。
でも、俺にとっては二の次だ。
俺にとっての一番はやはり、今のような時間だ。
周りが暗いからこそ五感が研ぎ澄まされている今だ。
研ぎ澄まされている五感のお陰で雲雀を感じる事が出来るからだ。
味覚と視覚では感じていなくても、感覚で、嗅覚で、聴覚で。
雲雀の体温や鼓動、雲雀の匂い、雲雀の寝息。
こんな俺には勿体無いけど、
ずっと感じていたくて。
END