Request & Memorial

□ずっと感じていたくて。
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深夜2時。



獄寺は目が覚めた。



「(俺はどうして今まで…そうだ、思い出した。確か雲雀に抱かれて、そのまま気失っちまったんだ。)」



基本的に獄寺と雲雀は職業柄、逢瀬がとても重要な意味を持つ。



逢瀬は数少ないと共に、ああ、また逢えたな、ということがお互いの生存確認に直結してくるからだ。



もう次は無いかもしれない。



弱気になんかなりたくないが、事実だ。



だからこそ、俺達は逢瀬を大事にしていた。



数少ないからこそ、1回が濃厚になってくる。



別にそれが嫌いなわけではない。



でも、俺にとっては二の次だ。



俺にとっての一番はやはり、今のような時間だ。



周りが暗いからこそ五感が研ぎ澄まされている今だ。



研ぎ澄まされている五感のお陰で雲雀を感じる事が出来るからだ。



味覚と視覚では感じていなくても、感覚で、嗅覚で、聴覚で。



雲雀の体温や鼓動、雲雀の匂い、雲雀の寝息。



こんな俺には勿体無いけど、



ずっと感じていたくて。



END
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