Request & Memorial
□たったこの一言だけ
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ゴオォォォ…
4月なのに台風並の天候なんて…凄く憂鬱になる。しかも、自宅のマンションに独り暮らしの身だ。ひとりぼっちの夜にこんな天候。最悪の組み合わせだ。
昔はこんな事で憂鬱になるなんて無かったのに…。
俺は彼奴に出逢ってから、自分でも分かるほどに変わった。
ひとりぼっちの夜になると寂しくて、怖くて…。本当は彼奴は俺の事、どうでもいいんじゃないか、とか悪い方に考えてしまって。
どうしよう。寂しいよ、怖いよ。
雲雀ー。
ピーンポーン
「隼人、起きてる?」
雲雀だ…!雲雀が来てくれた!こんな嵐の中、わざわざ来てくれた!
バタンッ
「雲雀!」
「どうしたの?」
「雲雀、逢いたかった…!」
「僕もだよ。」
「大好きだよ、隼人。」
それを聞いて、俺は毎回安心する。
そう、俺が聞きたかったのは、
たったこの一言だけ
END