REBORN Short

□真逆だからこそ
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最初は一目惚れだった。



何故、COMSUBINに女教官がいるのかとも思ったが、彼女の仁王立ちしている姿はとても凛としていて……俺はその姿に惚れた。



周囲は『鬼教官』と言って彼女を避けていたが、俺はいつでも彼女を見ていた。



そんなある日、1日の訓練を終えた後だった。



俺は用事があって彼女を探していた。



するとどこからか女の啜り泣く声が聞こえてきた。



女はここには彼女以外いない。



俺は声の元を探した。



彼女は武器庫の裏にいた。



「ラル!」



俺が声をかけると彼女は俯いた顔を上げて俺を見ると、急に走り出してしまった。



が、俺は彼女の腕を掴んで顔を俺の方に向かせた。



「どうしたんだコラ!」



「何でもない…さっさと部屋に戻れ。」



「じゃ何で泣いてんだ!」



「っ…気にするな……お前には関係無いだろ…」



「関係無い訳ないに決まってんだろコラ!!」



俺が怒鳴ると彼女は驚いた顔をしていた。



「…俺はアンタが好きなんだ。好きな奴が泣いてたら気にしないでいられる訳がないに決まってんだろ!!」



「えっ…?」



ギュッ



俺が彼女を抱きしめると彼女はさっきよりも驚いた顔をしていた。



「…だから泣いている訳を教えてくれよコラ…」



彼女はしばらく黙っていた。すると小さな声で呟いた。



「……明日任務があるんだ。前までは任務に何も感じなかったのに、お前が来てから怖いんだ…お前を残して死ぬかもしれないと思うと、怖くて仕方ないんだっ…」



正直驚いた。



まさか彼女が自分に対してこんな思っていてくれているとは思わなくて。



普段のあの威圧的な声とは真逆の頼りなくか細い声。



ああ彼女も女なんだな、と思うと共に、俺が守らないと、と思った。



すると自然に口から出ていた。



「大丈夫だぜコラ…何があっても俺は、俺は…」






“絶対にアンタを守るから”



END
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