REBORN Short

□チケット
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「やあ、獄寺隼人。」



雲雀だった。気分最悪な時に限って雲雀だとは…俺もついてない。



「君、これ欲しいんでしょ?」



「んな訳ねぇよ!」



つい見えを張って嘘をついてしまった。



「あ、そう。」



嘘をついてから後悔した。10代目のため
に手に入れなければならないのに、雲雀から貰うのは俺のプライドが許さないがために、手に入れられなかった。



「…。」



どうしよう、と思ったその時、



「いらないからあげるよ。」



「は?」



「これ、ペアのチケットでしょ?僕にはこんなもの、必要ない。」



確かにそうだ。あいつが誰かと一緒に行くとは思えないし、そもそも、豪華客船みたいな人が群れてるところにわざわざ行くなんて馬鹿な事はしないだろう。



やはり雲雀から貰うことは俺のプライドが許さないが、10代目のために我慢することにした。



「…ありがとうな。」



あれ、顔が...熱い?



「感謝される筋合いはない。僕は必要無いから君にあげるだけだ。」



その通りだ。それ以外の何でもないのだ。だけど嬉しいと思うのは…きっと気のせいだろう。



「じゃあね。」



今考えてみると、分かった事がある。それは、きっとあのチケットは俺と雲雀を繋げる心の「チケット」に違いないという事。



尤も、互いの感情が通じ合ったのはまだ先の話だが。


END
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