妖狐×僕SS Short
□残り僅かの夏空に想いを馳せた
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俺がそんな話を初めて聞いたのはーつまり現在は百鬼夜行により、多くの先祖返りが命を落とした後だ。
前から調子が良くなさそうだとは思っていたが、ただの風邪だと本人が言い切っていたので楽観視していた。
そう、その矢先だった。急に残夏が倒れたのだ。
俺は急いで救急車を呼び、前にカルタが入院していた病院に搬送してもらった。
検査をしてもらったところ即入院となり、一旦俺は残夏の荷物を取りに帰った。
その後、病院に戻ると担当医から話があると呼び出された。
そしてお察しの通り、現在に至る。
「(何で俺は今まで気付けなかったんだ。あと半年ってどういう事だよ。)」
そういう感情もあるが、違う。
何だろう…そんな感情より違うこの感情。
俺には何もしてあげられない自分の無力さを思い知らされた感じ。そんな俺が残夏のために何が出来るのだろうか…。