妖狐×僕SS Short
□残り僅かの夏空に想いを馳せた
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それから俺は毎日、残夏の見舞いに行った。
時間が許す限り、残夏の側にいた。その日の出来事や世間話…何でも話した。
俺が話すと残夏は相槌を打ってくれた。
残夏には無理して毎日来なくていい、と言われたが、虚勢を張っているのは鈍感な俺でも分かった。
もしかしたら俺が見舞いに行けば行くほど残夏の負担になるのでは、とも思った。
が、残り僅かの共に過ごせる時間を少しでも有効に使いたい、そう考えれば考えるほど無性に悲しくなって、空しくなって…。
そんな日々が過ぎていったある日、珍しく俺に話があると残夏から連絡があった。
何の話なんだろうか…。妙に胸騒ぎがした。
気が付くと無意識のうちに走っていた。