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□すれちがい
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「あっひぁ、い…やっゆきぃ…」
昨夜、僕は兄さんを犯した…
朝、目が覚めると兄さんは横で寝ていた
その頬には、涙の跡が残っていた
僕はベッドから降りて部屋の私物を片付け始めた
「雪男?」
兄さんが眠たい目を擦りながら僕の名前を呼んだ
「おはよう、兄さん…」
「何してるんだよ」
もうほとんどの物を片付けた後だった
兄さんが眉間に皺を寄せて言った
「しばらく部屋を分けようと思って…」
「な…んで?」
泣きそうな顔で僕を見た
ダメだ自惚れるな 恋愛感情を持ってるのは僕だけなんだ 僕は嫌がる兄さんを無理矢理犯した
「兄さん…僕が何したか分かってるの?」
これ以上一緒にいると自惚れてしまう…
「もう、兄さんとは前の様にはもどれないんだよ。」そう言って部屋から出た。 それから1週間がたった…。部屋を別けてから兄さんは塾をよくサボるようになった。それも、僕の授業だけ…
ある日、学校で僕のクラスと、兄さんのクラスで合同の数学の授業があった。
「じゃあこれを…奥村!!」
「先生。奥村は二人います。」
勝呂が言ってくれた
「じゃあ、燐の方」
燐は無言で立ち上がり黒板にスラスラと書いていく
「正解!最近しっかり授業を聞いてるな」
(兄さんは僕がいない方が…)
ガタッ
「おいっ」
兄さんが倒れた
教室がざわつく
前の方にいた勝呂が兄さんを保健室に連れていった
目が覚めると保健室だった。横に勝呂が座っていた
「どないしたん?」
心配そうに言う
面倒見がいいというのも口だけではないようだ。
「わかんねぇ…」
呟くと目が熱くなって涙が溢れた
「お、おいっ」
勝呂が狼狽える
「俺…あいつとセックスしたんだ…」
「はぁ?」
燐は全部話した
「全然嫌じゃなかった でもいきなりで、ヤってる間拒絶してた…だから雪男が部屋分けるって言った時何も言えなかった」
初めは、あたふたしていた勝呂も落ち着いて話を聞いていた。
燐がひととおり話すと静かに口を開いた。
「お前はどないしたいんや?」
勝呂が優しく問うと燐が顔を上げ掠れた声で言った。
「雪男と一緒にいたい」
勝呂は燐の頭を撫でて言った。
「その気持ち伝えてみ?」
チャイムがなった
すこしするとドアが開いた
「兄さん!?」
雪男が心配そうな顔で入って来た
燐が勝呂が出て行こうとするのを止めた
「はぁ、まったくしゃあないなぁ」
ため息をついてまた座る。
「兄さんどうしたの?どこか悪いの?」
まるで子供を心配するようだ。
「いつまで子供扱いする気だよ!!」
燐が怒鳴った。
しかし、頭に響いたらしく座ったまま、すこしふらついたところを勝呂が支えた。
「原因は寝不足とストレスやそうです」
勝呂が雪男に説明する。
「ストレス?」
燐が俯く…
「ちゃんと話して見たらどないですか?」
「何日寝てないの?倒れるくらいだから1日やそこらじゃないでしょ?」
雪男がまくし立てるように問う。
燐は無言で俯いたままだ…。
「奥村、ちゃんと話して見たらどうや?」
燐がゆっくり顔を上げる
目が少し赤く涙の跡もあった
「兄さん黙ってちゃ何も分からないよ」
「…ごめん、俺バカだし、自分の気持ち伝えることもできねぇし、部屋分けただけなのに…なのにお前がいなくなっちまうんじゃねぇかって」
燐が詰まりながらも話す
雪男はそれを驚いた顔で見ている
「俺に話したこと全部言うてみ?」
そう言って出ていった
「そんなこと考えてたの?バカだね」
雪男が無表情で言い放つ
「っ…ご…めん、俺…帰る…」
燐が俯いてベッドから降りて出て行こうとするのを腕を掴んで止めた
「待って」
腕を引っ張ってこちらを向かせると燐は泣いていた
「離せよ…お前はほんの出来心だったんだろ!!真剣に愛してたのは俺だけ…っ」燐が泣きながら喚くと雪男が抱きしめた
「そんなわけないだろ!!僕だって兄さんを愛してる!」
「じゃあ…じゃあなんでっずっと一緒にいてくれなかったんだよ!!」
雪男が燐にキスをした
「あの日兄さん僕に怯えてずっと泣いてた だからもうこれ以上兄さんを壊したくなかったんだ」
さっきよりも強く抱きしめた
燐が顔を上げて背伸びをして雪男にキスをした
「大好き なぁ雪男も言って?」
燐が頬を少し赤く染めて言う かわいくて仕方ない
「大好きだよ 兄さん」

end
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