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□金平糖事件
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ある昼下がり…事件は起こった…

金平糖事件

「あぁ〜疲れた」
巡察を終え屯所に帰って来た俺は
真っ先に総司の部屋へ向かっていた
「総司〜なんか甘いもんねぇ?…て、あれ?」
総司の部屋はものけのからだった
「総司〜?いねぇの?…いいもの発見♪」
総司の文机の上に乗っていた金平糖を見つけた
(ちょっとくらいいいよな)
金平糖を十粒くらい食べもとに戻したのとほぼ同時に総司が戻って来た
「あぁ、平助。何してるの?」
「い、いやっな、なんもしてねぇよ!今来たとこ」
俺の様子がおかしいことにすぐ気づいた総司はゆっくり近づいてきて俺を壁に追い込んだ
そして肩を壁に押さえつけ俺の唇に自分の唇を重ねた
そして少し開いたすき間から舌を挿し込み俺の口内を犯した
「ふっ、ん、はぁ、そ…、じ、」
総司の名前を呼ぶと唇を離した
「口の中が少し甘い…それに金平糖が少し減ってる…」
「えっと、それはっ、その…総司がいなかったから…そんな怒んなくたっていいじゃん!!!」
さっきからずっとこちらに冷たい視線が送られている
「そうだね、ごめん」
そう言って俺を包むように抱きしめた
「総司…」
無言で俺を抱きしめ続ける
「…………」
「総司?そろそろ離して?」
何も言わない
「ねぇ、離してよ…」
「なんで?僕に抱きしめられるの好きでしょ?」
「そ…だけど…」
どんどんまわりの空気が冷えていき少しずつ殺気が満ちてくる
総司の殺気を向けられたのは久しぶりで、悲しくなった
「離してよぉっ、ひっく、なんでそんなに怒んだよっ、っく、そんなに金平糖が大事かよ、恋人の俺よりもそんなちっさい砂糖の塊がいいのかよ!!ひっく、ひっく、うわぁ〜〜〜ん」
ついに泣き出した
声を上げて泣いた
あたりまえだ
金平糖食ったくらいで恋人に殺気向けるか?普通…
総司の腕から開放俺はその場にへたれこんで泣きじゃくった
「平助…」
俺の頭をなでようと伸ばしてきた総司の手を思い切り叩いた
「総司なんか嫌いだぁっ!!っく、ひっく」
拳で目擦っても擦っても涙は止まらない
「平助!」
俺の両腕を掴んでだ
「そんなに擦ったら赤くなるよ…」
「っく、」
「平助…ごめん、やりすぎた。平助と食べようと思って楽しみにしてたのに先食べちゃうから…ごめん?」
「俺もごめん…」
泣き止み総司の謝罪を受け入れる
「平助…僕のこと嫌い??」
俺を横に振った
「そっか、よかった」
総司がまた柔らかく抱きしめて背中をさすってくれたのでまた涙が込み上げてきて、また泣いた
その後二人で金平糖を食べて総司の入れたお茶を飲んだ



〜fin〜
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