短編

□壊したがりの欲しがり屋
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よくさ、人の食べてる物とか持ってる物を欲しがる人っているでしょ?実は僕もそうなんだ。自分が同じ物を持っていても他人の物の方がすんごく良い物に見えんの。それが自分の持って無い物だったら尚更。もう、何がなんでも手に入れてやるぞーって気になるんだ。
でも、いざ欲しかった物が手に入るとそれはただのガラクタに変わってどうでもよくなっちゃうんだよね。不思議だよねー。あんなに欲しい、欲しい、って思ってた物なのにさ。
まぁ、とりあえず苦労して手に入れた物もあるからそれで遊んでみるんだけど、途中でつまんなくなって飽きちゃうんだ。やっぱりガラクタはガラクタのままみたい。

そんなガラクタをキミはいつまでも取って置く?僕は捨てるよ。だっていらないもん。ゴミを取って置いても邪魔なだけだし、部屋が汚くなるでしょ?それと一緒。ゴミはゴミ箱へ捨てなきゃ。
どうしたの?顔色が悪いよ。ん?何でもするから助けて欲しいって?うわぁ、なーにー?キミ、命乞いするの?醜いねぇ。そこまでして助かりたい?ハハッ!!やっぱり面白いねキミ。大丈夫、僕はキミを殺したりなんかしないよ。ただね、欲しいものがあるんだ。キミしか持ってないそれが欲しいだけなんだ。
だから、ねぇ、












キミの心臓、頂戴?



















【壊したがりの欲しがり屋】


(なんだこれだけか。じゃあ、もういらないや)


壊したいから欲しい
新しいのが欲しいから壊す
廻り続ける破壊の音




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