短編

□恋=変
1ページ/1ページ


スパナは感情を表に出さない。
出さないって言うか無いんだと思う。
眠たげな目でモスカを弄ってるスパナは何考えてんだかさっぱり分かんないし。

それにさ、私スパナの休んでる所見たことないんだよね。
そりゃ、私の見てない所で休んでるんだろうけど、朝見たのと、2、3日後に見に来て変わってたのが、モスカの完成度合いとスパナの周りに落ちてるゴミ(いつも舐めてる飴のね)の量ぐらいだった時は流石に目を疑ったかな。

集中力があるからとか、天才だからとか、もうそんな次元じゃないと思うんだ。
普通の人間じゃ説明つかないよ、本当。



「と言う訳でスパナは人間じゃなくてロボットか地球外生命体、所謂エイリアンと呼ばれる生き物だと私は思うんだけど。スパナはどう思う?」


話題にしてる(しかも私が勝手にね)人物に意見を求めるのはおかしいと思うけど、こういう事は本人に直接聞いてみた方が手っ取り早いと思うので私はスパナに尋ねてみた。
案の定、スパナは目をパチクリさせて驚いたみたいだけど、暫くしてクツクツと笑い出した。(あ、笑えるんだ)


「そんな事、初めて言われた」

「だろうね」

「やっぱりアンタ面白いから、ウチは好き」


もっと話してよと小さな子どもみたい急かすスパナはやっぱり普通とは言い難いけど、スパナに「好き」と言われてドキドキしてる私も十分変わり者なんだなと他人事の様に思った。

















【恋=変】

(ウチが機械だとしたら、何で動いてると思う?)
(飴が燃料で、緑茶がオイル代わり)
(あながち間違ってないな)

恋することは普通じゃない
だってその人が特別に変わるから



[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ