小説

□ひとりにしないから
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「面倒くせぇな」


舌打ちをし、そう呟くと獄寺はいきなり山本の胸倉を掴み、無理矢理顔を上げさせた。
いきなり胸倉を掴まれ驚いている山本(そのお蔭で涙は止まったが)を余所に、大きく息を吸うと獄寺は早口で捲し立てた。


「良いか山本、一度しか言わねぇからよく聞けよ。俺はお前に心配されるほど弱くねぇし、そんな簡単に死なね。つうか、死ぬ気なんてこれっぽっちもねぇよ。でも、それでももし、俺が死ななきゃならねえ時は、そん時は、お前とこまで行って、お前も道連れにして死んでやる」



分かったか、と最後に言い捨てると獄寺は山本を解放した。
初めはぽかーんと惚けていた山本だった。しかし徐々に獄寺の言葉を理解していき、その顔に笑みを拡げていった。
乱暴な物言いしか出来ない獄寺だが、先ほどの内容を(かなり)かみ砕けば「何が何でもお前のもとへ戻る」という事になる。それが分からないほど山本も馬鹿ではない。
多少不安な面は残るものの、獄寺がそこまで言うなら絶対帰ってくるんだと山本はそう解釈したようだ。



「約束な獄寺!!」




顔をクシャクシャにして笑って言う山本を見て、気恥ずかしいのと何だか暖かな気持ちになった獄寺だった。






【ひとりにしないから】

(獄寺大好き!!)
(うっせぇ!!)
(早く帰ってきてくれよな)
(…気が向いたらな)


必ずキミのもとへ戻るから
だから
良い子で待っててね


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