短編

□朝
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「十四郎さん、朝ですよ」


「・・・ん」


低血圧の土方は朝に弱い
それを知ってるからこそ、朝はなるべくギリギリまで起こさないようにしていた。

それでも、本人たっての希望で少し早い時間に起こしているのだ。


「もう、十四郎さん!!」


なかなか起きない彼を揺すってやっと目を開けたことに安堵する。
目さへ開けば後は彼自前の気力で起きてくれる


「・・・ミツバ、おはよう」


「おはようございます。十四郎さん。・・・昨日はまた遅かったんですか?」


「あぁ、ちょっとな」


モソモソとベットから起き上がる土方の目の下に出来た隈に申し訳ない気持ちになる。


「・・・すみません。起こしてしまって。」


「いや、いいんだ。それに起こせって言ったのは俺だからな。・・・いつ帰れるかわからないからな。朝ぐらいは一緒に食いたい。」


頭を撫でられ、私だけに見せてくれる優しい笑みに心臓が激しく脈を打つ。


「・・・無理はしないでくださいね。」


「あぁ。じゃあ、飯食うか。」


「はいっ!」


最初の頃は、帰ってこない彼、待ち続ける私の延長線の関係に少し寂しく感じていた。
それが体調を悪化させて、入院して、
彼に迷惑をかけることしか出来ない自分が嫌で嫌で仕方なかった。

それでも彼は良いと言ってくれた。

爆弾を背負う私を愛していると言ってくれた。


部屋のドアの近くで着替えをしながらこちらをチラチラみる彼に可笑しく思いながらも、私を待ってくれている十四郎に近づいた。






(・・・あまり辛いものは過剰摂取しないほうがいいと思うぞ)

(十四郎さんもマヨネーズ、かけすぎですよ)



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