破滅

□闇に沈むのは
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銀さん、どこにいるんですか!

目の前に広がる無限の闇。

いつもは居るはずの鈍いが確かにそこにあるはずの光が見えない。


冷たくも暖かいいつもそばに居て鈍く光を放つわりには周りを鮮明に明るく見せてくれる光がない。

銀さん、


「銀さん!!」


「お、おきたかえ?」


いきなり目を覚ました新八に驚き、数歩後ずさった坂本

見覚えのあるモジャモジャと、始めてみる室内に新八は戸惑いを隠せない。


「・・・ぇ?」


おかしい、さっきまで僕は銀さんの寝室に居たはずだ。

神楽ちゃんが呼びにきて、銀さんが起きたと知って、それから、
・・・それから?


「あれ?」


「無理せんほうがえぇ。おぬしは少し疲れ取るからのぉ。今は、少し寝れ。のぉ?」


言われると確かにかなり僕は疲れているらしい。

お腹をポンポン叩く阪本さんの優しいリズム

少しずつ睡魔が襲ってきた。


「・・・」


「寝たか?」


部屋の戸によりかかっていた高杉が問う。


「みたいじゃ。今はうなされてないからしばらくは大丈夫じゃろ。ところで銀時は見つかったのかぇ?」


「あぁ。“万事屋”に向かってるらしいぜ。」


ヒラヒラと通信端末に書かれた文字を見せる高杉に阪本は万事屋のある方向を指差した。


「じゃあ、そこに向かうのかえ?」


「あぁ。新撰組のやからも居るからお前はここにいろ。」


テロリストと一緒に居ることがばれれば、坂本の会社の信用問題に関わるだろう。

高杉の言葉に阪本は悲しく笑う


「すまんのぉ」


「気にすることはない。」


その言葉は入り口からだ

所々血を滲ませた姿の桂はよくみると紫に変色した痣もある。


「チャイナの子が、おきたかが?」


「あぁ、しかし、起きたのはいいがかなりの興奮状態だったのでな。少し荒いやり方ではあるがもう一度眠ってもらった。」


痣を撫で付け、苦々しい顔をする桂が可笑しかったのか高杉が人をバカにしたような顔をしていた。


「クククッ、坂本ぉ。飛行船かせ、乗ってく。」


「了解じゃー。言っておくから勝手に乗っていっておくれや。」


阪本の言葉に桂は堅実に頷き、高杉は何も言わずに飛行船へと向かった。


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