破滅

□覚醒
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「だりゃあ!」


銀さんの声が聞こえる。

・・・雨の音が、そう聞こえさせてるのかもしれない。


「おぉ、起きとったのか?」


布団の上から、窓の外を見ようと首を伸ばす僕に驚いたのか、坂本さんが少し緊張した声をかけた。


「えぇ、すみません。なにが起こったのかよく憶えてないんです。」


「・・・そうか。どこめでおぼえちょる?」


「・・・銀さんがいなくなるところまで。」


「そか。その後のことは?」


「なにかが、崩れ落ちて・・・。そこからは憶えてません。」


そこまで聞いて、坂本は新八の異変に気がついた。

(・・・仮面かぶっとるみたいじゃ)

戦争中、大切な人を失った人が起こす、感情の欠落。

昔、何度も見たその瞳は何処までも闇に包まれていた。


「もし、もしじゃぞ?





もし、銀時がここにいるとしたらどうする?」



「銀さんがいるんですか!?」


銀時の名前を出したとたんに眼に輝きを取り戻した新八を見て、彼にとって銀時の存在がどれほど大きいのかを知った坂本は焦る。


「落ち着け!もしもの話きに。
 ・・・その銀時が銀時じゃない銀時になってたらどうする?」


「・・・どういうことですか?」


意味がわからない、そんな意味を含めて聞き返す新八に、坂本は笑顔を向けた。


「・・・いや、なんでもないきに。なんか食うかが?」


「・・・いえ、なにも入りません。」


「なにか食わんと、もたんきに。」


「じゃあ、聞かなきゃいいじゃないですか。」


「アッハッハッハッハー!なにか食べたいものは?」


「・・・神楽ちゃんと相談したいです。」


「了解じゃきにぃ〜。じゃあ、神楽ちゃんのところに直行じゃぁ〜!!」


そう言って、坂本は新八に背を向けて歩き出した。

新八は窓の外に視線を向けて、にっこりと笑った。



「・・・銀さん、」



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