破滅
□闇に沈むのは
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「・・・白夜叉」
銀の目から見ていた世界
その世界をやっぱり銀の目を使って見る俺は馬鹿なんだと思う
この世界はどう考えても俺ではなく銀のものだ。
「あれぇ?新撰組のみなさんじゃないんですか?どうかした?」
「ふざけてんのか?」
「なにが?十四郎君?」
この男は、コレで気がつくだろうか?
銀時が大事にしてるこの組織。
攘夷戦争のときは、あの3人だったか?
・・・まぁ、戦争中しか俺の出番はなかったみたいだし。
「!!」
初めて、名前を呼ばれた。
・・・誰なんだ、こいつは。
昨日とは全く違う。
姿かたちはそのままだが、
雰囲気が全然違う。
こいつの前に立つだけで、全身に鳥肌が立つ。
近くで潜伏している総悟も感じ取ったらしい。
「・・・誰なんだ、お前」
「誰だと思う?」
「白夜叉、だろ?」
どうか、違うと否定して欲しい。
(・・・甘ぇな、俺も。)
総悟や、山崎のこと言えた義理じゃねぇな。
白夜叉はそんな土方のこころを知ってか知らずか、銀時の顔で、銀時のアホみたいな笑い方をした。
「正解♪“初めまして”、新撰組のみなさん♪」
言葉の意味を土方は知りたくは無かった
「っ・・・!!全員、突撃だあああああああ!!!」
土方は、自身の妖刀を高く掲げ、
よりいっそう酷くなった雨の中、叫んだ。
土方と銀時が、相対する。
「おいで、ワンちゃん。」
「・・・その無駄口、たたけなくしてやるよ。」
土方はここにいるのがかつてのライバル、
坂田銀時ではないことは明白だった。
(・・・無駄なことは、考えるな。)
二人の刀が火花を散らし、ぶつかり合う。
しかし、それを止めたのは、新撰組のどの隊員でもなく、『狂乱の貴公子』桂 小太郎だった。
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