破滅

□覚醒
2ページ/6ページ




「だりゃあ!」


銀ちゃんの声が聞こえた


「銀ちゃん!!」


「クゥ〜ン・・・、」


「・・・定春、いま、銀ちゃんの声が聞こえたアル。・・・雨、すごいアルな。」


「ワン!」


すぐ側に居ると思った銀ちゃんは目を開けたら居なかった。

その代わり、定春が居た。

頭を撫でて、雨の音がする外を見る。


「クククッ、起きたかぁ?じゃじゃ馬娘。」


「お前!」


「まぁ、そうキレんじゃねぇよ。・・・大丈夫か?」


「銀ちゃんが何処にいるか知ってるアルか?」


心配した声

こいつが、こんな声を出せたことに驚いたけどそれよりも銀ちゃんが何処に居るのかの方が大切


「・・・どうやら大丈夫じゃねぇみたいだな。」


「銀ちゃんの声がしたヨ。銀ちゃん近くにいるんダロ?」


「・・・いねぇよ。いまは銀時はいねぇ。」


「なんでアルか? ・・・新選組のせいアルか?」


「いや、ちがうな。」


「どうしてアルか?じゃあ、誰のせいアルか?」


あぁ、もしかしたら私のせいかもしれないヨ

そう思ったわたしに定春が気がついたのか、しきりに顔を舐めはじめた


「誰のせいでもねぇ。・・・いや、しいて言えば、銀時。あいつが弱いせいだろうな。」


銀ちゃんが弱いことなんてとっくの昔に知っている

それが今の状況を作り出しているのだとしたらきっかけはやっぱり新撰組のせいだ。


「・・・ネ。」


「あぁ?」


「じゃあ、新撰組の連中皆殺しにするネ。」


「・・・ちゃんと、話聞いてたか?」


「聞いてたヨ。銀ちゃんを弱くしたきっかけは、あいつらネ。」


「おい!」


神楽が立ち上がり、日傘に手を掛けた。

そこにタイミングが良いのか悪いのか、戸を開け坂本と新八が現れる。


「晋助ぇ〜、神楽ちゃんは起きたきにぃ〜?」


瞬間、坂本は息を飲んだ。

殺気を湛える神楽の瞳

殺気の中に、悲しみが入り交じるのが見える。


「あっ、新八。」


「神楽ちゃん。」





.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ