夢の中で


□6話 素直になれない
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 イルカと別れた後、ナルトの夕食を作るために、いったんアパートに帰った。
「ただいまー。ナルト」
「お帰り、桜花姉ちゃん!! なんかでっかい箱が届いて来たってばよ? 開けていい?」
「だめ」
「ケチ! なあなあ、今日の夕食なんだってばよ?」
「コロッケだ」
「オレってば、昨日みたいに姉ちゃんと一緒に食べたいんだってばよ」
 潤んだ青い瞳が、オレを見上げる。
 (そんな目で見るな!! 萌え死んじまうだろ!!)
「〜っ。…分かった。じゃあ、作るの手伝え」
「うん!…あれ? まだ渡してねーの?」
「ああ。一緒に食べてから会ってくる。帰ってきたら、箱の中身を出しといてくれ」
 すると、ナルトがニンマリ笑った。
「誰に渡すんだってばよ? 手作り田楽」
「だ、誰だっていいじゃん!!」
 顔が火照っているのが分かっても、コロッケを作る手だけは止めなかった。
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