夢の中で


□8話 サバイバル演習
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「こらー!! ナルトー! 起きろー!」
「んー…まだ目覚まし鳴ってないってばよォ。ひいっ!!」
 フトンをはがされて、冷たい空気が身にこたえる。
「さ、寒いってばよ」
「別に寝てていいぞ。一人前の忍者にならなくていいならな。んじゃ、行ってくる」
 眠たい目をこすりながら、しぶしぶ着替える。
「…姉ちゃん?」
 着替え終わった後には、もう姉ちゃんの姿は見えなかった。


「姉ちゃん!」
「んあ?」
 数メートル先を駆ける姉ちゃんの後ろ姿に追いつこうと、一生懸命走った。
「なんで急に冷たくなったんだってばよ!!」
「家では違うでしょ。…おはよー、サスケ、サクラ」
「おはようございます!」
「フン」

 ごちっ!!

 朝から桜花姉ちゃんが、サスケの頭のてっぺんを拳で殴った。
「サスケ。そうじゃなくて?」
「オハヨウゴザイマス」(棒読み)
「よろしい」
 カカシ先生を待ってる間、サクラちゃんと桜花『先生』の会話は続く。
「遅いですねー。カカシ先生」
「はっ。アイツの遅刻癖は今に始まったことじゃねーよ」
「えー。じゃあ、いつからなんですか?」
「……さーな」
 (その間が気になるってばよ)
「その様子だと知ってるみたいですけど」
「知らんっつーの」
「…姉ちゃん。オレってば、眠たいってばよ」
 まだぼーっとしている頭を、姉ちゃんの左太ももに乗っけた。
「あ! ナルトずるーい! 私もー!」
 そう言って、サクラちゃんが姉ちゃんに抱きつく。
「サスケも寝たらどうなんだってばよ? 姉ちゃんの膝枕で」
 意地悪な笑みでサスケを挑発したけど、サスケは眠たくないの一点張り。
「寝不足はよくないぞ。カカシが来たら起こすから、な?」
 結局、サスケはその笑顔に負けて自分の頭を姉ちゃんの右太ももに乗っけた。


→桜花side
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