りくえすと

□どっちが悪い?
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 こんにちは!
 私は、広美。上の2人の姉ちゃんもここ、バベルで働いてます。
 双子で、それぞれがレベル6で、長女がテレポーター、次女がテレパス。んで、三女の私が、レベル7のヒュプノなのです。
 全国一斉ESP検査で発覚した後、即バベル入りになった私は、姉と同様即生ゴミでも捨てる気分で家から追い出しました。 
 ま、そんなことはどーでもいいけど。
 私は、年齢も薫ちゃん達と同じだったから、担当の皆本さんのもとで『ザ・チルドレン』に配属されました。
 そう、私の見る限り、彼は天才の部類に入っ――
「なに1人でナレーターやってるの?」
「ヒマだからね〜」
 紫穂ちゃんの言葉を、さくっと答えた。
 今日は授業終わったら、姉ちゃん達と待ち合わせのカフェで一時を過ごす約束をしている。


 帰りの会が終わると同時に学校を飛び出して、カフェに向かった。でも、姉ちゃん達はまだ来ていなかった。
「あれ…?」
「いらっしゃいませー。お1人様ですかー?」
 間延びした声で、店員さんが私に声をかける。
「あ…えっと、あとで2人が来るから…」
「では、空いてるテーブル席にどうぞー」
 ランドセルをガタガタいわせながら、一番奥の席に行く。そこに座るなり、宿題をテーブルの上に乗せて、それをし始めた。
 漢字ドリルと計算ドリルが終わった頃、制服姿の姉ちゃん達が来た。ワイルド・キャットのコードネームを持つナオミちゃんと同じ学校に通っているのだ。
「ごめんね、待った?」
「ううん」
「宿題やってたんだー。エラいね」
「えへへ…」
 翠姉ちゃんと瑠璃姉ちゃんに頭をなでられて、にっこり笑顔を浮かべた。そして、なにを注文しようかと会話し、メニューを頼もうかとしたその時リミッターのコールが鳴った。
「ちっ」
 いくら一目ぼれした皆本さんが相手でも、この時ばかりは恨めしい。ってか、水差すなよ。
 苦笑いを浮かべる姉ちゃん達と一緒に、カフェを出てテレポートでバベルに行くと、すでに制服を着ている薫ちゃん達が屋上のヘリに乗って待機していると蛍さんから教えられた。
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