夢の中で (短編)

□気になるアイツは?
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 『人生色々』という看板がかけられた上忍待機所に、一応ノックして入った。そして、目の前のソファーに女に囲まれているソイツを見ると、なんか知らないけどムカついた。普通は、一番最初に待機所にいる者全員に向かって作り笑いでも浮かべてあいさつくらいするのが礼儀だと思うけど、女達の言葉に完全にその考えが飛んだ。
「なんか部屋にゴミが入って来た〜ぁ」
「あはは!ほんと!」
 キレたことを悟られないように、完璧な笑みを浮かべて瞳の色を桜色に変化させた。
「ほんと、見るに堪えないゴミためがたくさんあるな…たしか今日はゴミ出し日だったよな?カカシ」
「んー。そうだね」
「この粗大ゴミも出しちまおうか?」
「うん。そーして」
 イチャパラと書かれたタイトルの本から目を離さないカカシを見るまでもなくソイツらを窓から蹴落とす。
 オレに対する罵倒の言葉やチャクラが練れないことで情けない悲鳴をあげる女どもが居たが、そんなの知ったこっちゃねー。


 周りの反応は、まあ…いろいろだった。
 いきなり入って来た者が、木の葉一のエリートにまとわりつくくのいちを窓から蹴落としたことで、ある種の恐怖を得た者とその行動に賞賛を贈る者。
 それらの反応にどう対処していいのか困っている時に、横に居るマスクマンから出た言葉になぜかあわてる自分がいた。
「自己紹介、しな〜いの?」
「…ああ。えーと…」
 土足であがったソファーから降りて、群がる男どもに自己紹介した。
「今日から上忍になった桜木桜花だ。初めまして。そして、今後ともよろしくな!」
 頭の中で事前に考えていた紹介文を噛まずに言えたことに、ちょっとだけ安心した。
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