夢の中で (短編)
□勝手に
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4ヵ月ぶりに見たスケジュールは、ぎっちり詰まっていた。
収入の大半は歌手の仕事で、忍者としての収入はその4分の1にすぎない。
今年中に辞めることが確定しているため、もはや忍びとしての立場はパートなのだ。
「では、これでOKですね」
「よろしくな」
これから忙しくなる、と内心ワクワクしていたが、次のマネージャー兼付き人の口から出た言葉に頭が真っ白になった。
「それにしても、桜花様にカレシができてただなんて、私知りませんでした」
「…は?」
「…え?」
上忍2人は硬直し、火影様は笑うのを押し殺し、言った本人は相変わらず笑顔を浮かべたままだ。
「ちょっと…しず、じゃない…カオリ」
「はい?」
彼女の腕を引っぱり、部屋の隅に連れて行く。隅と言っても狭い部屋だから、ひそひそ話をしても意味はないが、そこはスルーして欲しい。
(あのな。アイツはカレじゃないの!)
(ええ!?だって、あの人が桜花様に密着しておられたので、そう思って…違うんですか!?)
狼狽しながら、ちらちらとカカシのほうを見るマネージャーの頭を軽く小突いた後、火影様の前に戻った。が、
「はたけ上忍と桜花様は、どういった関係ですか?」
「どうr」
「恋人になる予定です」
オレの言葉を遮って、カカシがとんでもない単語を言った。
「おm」
「よかったですね!桜花様!」
バカな同僚とマネージャーに対して、怒りがこみあげてきた。
《勝手に決めんな!!》