未来のために
□2話 目覚め
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「これが数日前、某山中で発見された、旧日本軍の超能力実験施設だ」
説明をしながら、局長と柏木さんが説明を続ける。
「内部には動物実験用と思われる小型の密閉カプセルがあり、ほとんどの動物は白骨化していました。ただ、ひとつだけ調査官が開けると、中から何かが飛び出したカプセルがあります」
「…実験動物が生きてたんですか!? 60年以上も生きてるなんて、いくらエスパーでもそんな化け者じみた…」
言った後に後悔し口をふさいだが、すでに遅し。後ろに立っていた管理官のキスをまともにくらってしまった。
「それと、もう1つ。管理官の耳にも入れておきたい事が…」
「何?」
柏木さんも局長も、深刻な顔をしている。
「この映像には端っこしか映ってませんけど、見えますか? 小型カプセルから少し離れた、ホコリをかぶった真っ白なカプセルが」
「見えますけど…。それが?」
朧さんは手にしているボードを、局長は拳を握りしめて言った。
「中に…人間が入っていたんです」
「それも女の子なんだヨ。白骨化もしていない。まるで、その場で冷凍されたような状態だったんだヨ」
「!!」
人間。
少女。
昨日の会議での映像。
「調査官は、手をつけずにそのまま帰って来ました」
「つまり…。次の任務は、そいつの探索と少女の保護を?」
床に這いつくばった状態で、どうにか発言すると局長がうなずいた。
「うむ。…ただし今回は、別のチームを指揮してもらう」
やってきたのは、ザ・ハウンドの2人だった。