未来のために

□16話 小学生に!?
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 初登校でいろんなことがあって疲れ切ってバベルのロビーに着いた直後に、上の階から爆発音がした。
「何があったの!! …って、京ちゃん!?」
「やぁ」
「…何しに来たの?」
「皆本の見舞いに来たんだよ」
 主任に会うためだけに、警備員を巻き込んだ騒動を起こす彼の気がしれなかった。
「見舞いって何? 皆本主任が病気にでもなったの?」
「いいや。記憶強盗に遭ったのさ」
「ああ…最近ずっと起きてる事件だね」
 カーテンを開けると、ベッドに寝込んでいる皆本主任の姿があった。
「兵部京介ー! 人ン家の庭にノコノコと! いい度胸じゃない! それと、千鳥ちゃんを困らせんじゃないわよ!」
 今では見慣れた光景に、いつものようにため息をついた。
「別に困らせてないし。落ち着けよ、不二子さん。慌てたんでメイクが荒いぜ?」
「うそ!? マジ!?」
 あわてて顔を触る彼女の仕草にも見慣れて、その場を去ろうとした。
「千鳥」
「何?」
 彼はモモちゃんを皆本主任の頭の上に乗せて、私に近づいてきた。
「今夜はコイツのマンションに泊まりな。明日は高校に行かなくていい」
「へ? でも、授業が…あ」
 言葉の真意を聞こうとする前に彼は姿を消し、薫ちゃん達が来て皆本主任が起きた。
「ここは…? あなた達、誰? 僕、さっきまで学校に居たのに…なんでこんな所に?」
 彼が青年から少年の姿に変わったのに、この場に意識のある全員が驚いた。
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