銀魂 短編

□甘えたがり
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今日はオレの姉の命日

今まで特に命日だからといい、悲しくなる訳でもなければ泣くわけでもねえ。
普通に墓参りして終わりという感じだ。

だが今年は違かった・・・。


いつものように墓参りに行った後の出来事

「土方さん、今日・・・」

『・・・アイツの墓参り、行きてえのか?』

「え?・・・土方さんは行かないの?」

『俺は・・・やめとく』

「え・・・じゃあ、わたしは・・・」

結局行かなかった。土方さんが行かないと言い出したからだ。・・・といえば言い訳だが行かなかった。
何だかW行かないでくれWと訴えかけてるように感じたから
本当は・・・

何だかムカついた。
別に来てほしかった訳ではないんでさァ・・・
ただ、朝香が土方に言われたから行かなかったところがムカついた


ーー夜

朝香を見かけた。
どうしようかと考えていると朝香が話しかけてきた。

「総悟…」

(ギュッ

俺は何も返事せずに抱きしめた。

『…どうして、来てくれなかったんでィ』

「ごめん…私」

すごく泣きそうになった。
総悟がこんなに悲しい顔をするのは、滅多に見ないから…

私と総悟は同い年で、同じく大切な家族を亡くしていたから…
総悟の気持ちをわかっていたはずなのに…
傷ついた心を一番知っているはずの私がその傷を深めてしまった。

『せめて…今日…今夜だけ…俺と一緒にいてくだせェ…ダメ、ですかィ?』

「いいよ…総悟、だから…」

それをたまたま聴いていたのは土方、普段なら何が何でも止めるが今日は止めなかった。


そこには二人にしかわからない絆があると理解していたから…
朝香と恋人の自分ですら割って入れない、複雑で繊細な糸で繋がれているから。

総悟と二人になり…

「総悟…ごめんね。」

『もういいんでさァ』

「でも…」

『…すこし、今日は寂しかったんでィ』

「…。」

『朝香が悪いんじゃなくて…今日は特別姉上がいないってことに寂しくなったんでさァ…。』

「そっか…私もそういうことあるよ。…でも大丈夫だよ。総悟、強いから…。」






―翌朝―

土方がそっと襖を開けると・・・

二人が薄い毛布にくるまり、ほんのり笑顔を浮かべながら寝ていた。


『ったく…妬けちまうぜ』
 

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