銀魂 短編

□恋文
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ある昼下がり。
銀時不在の万事屋で話す新八と神楽。

「ねえ、神楽ちゃん」

「ん?何アルか?」

「銀さんって恋とかしたことあるのかな?」

「…キモッ!何が銀さんって恋とかしたことあるのかな?アルか!?知らねぇヨ!てかキモいアル。」

「ちょっと!!キモいは言い過ぎじゃない?!キモいは!…いやだって神楽ちゃん、冷静に考えてみて。銀さんが恋愛なんてできると思う?」

「言われてみれば確かに…出来なさそうアルな…そんなに気になるなら本人に聞いてみればいいアル。」

「聞いてみればいいって…そんな簡単に…」

「んじゃ、私が聞くアル。」

ーーガラガラ
戸が開く音がする。

「ほら、噂をすればなんとやらネ。帰ってきたアル。後は私に任せるネ」

「(神楽ちゃんに任せるのは不安しかないよ…)」

「あー疲れたー。いちご牛乳、いちご牛乳」

「銀ちゃんおかえりヨ〜」

「あぁ、って何か機嫌良さそうだな」

「そんなことないアルよ〜」

「まぁ、いいわ。」

新八は明らかに不自然な神楽の様子にヒヤヒヤしていた。
銀時がいつものようにイスに座りいちご牛乳を飲んでひと息つくと神楽が動き出す。

「ねぇ、銀ちゃん」

「あー?」

「銀ちゃんって恋とかしたことあるアルか?」

「(ストレートォォォオオオ!!!)」

「…ブハッ!は!?ナニいきなり!?」

銀時は突然の質問にいちご牛乳を吹き出した。
そんな動揺を隠せない銀時と神楽に任せたのは間違いだったと後悔する新八を他所に神楽は至って冷静に続ける。

「だって銀ちゃんマトモな恋愛出来なさそうアル…って新八が言ってた。」

「ちょっと!僕のせいにしないでよ!」

「本当のことアル!新八が言い出したんダロ!」

二人が小競り合いし始めるなか銀時が口を開く。

「まぁ…俺だって一応大人だからな。好きだった女の一人くらいいるっつーの。」

「ほんとアルか!?どうせロクでもない女だったアルよ!」

「いや、違ェな」

「だったら教えろヨ〜」

「言わねーよ」

「え〜何でアルか!気になるネ!教えてヨ〜銀ちゃん!」

「嫌だよ」

「お願いお願い!!」

「しつけーな新八も何か言えよ」

「いやあの言い出しっぺ僕なんで。正直僕も気になってます。」

「ったく…お前らだけだぞ?」

「はい!」

「おうヨ!」

「銀さんの初恋はなぁ…」


ーーこれは攘夷戦争に参加する少し前のお話。
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