真選組と私 〜土方十四郎〜

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ふわぁ〜

大きなあくびをしながら廊下を歩いている朝香。
曲がり角を曲がると…

「うわっ!土方さん!おはようございます。」

『朝からうるせぇな、びっくりさせんな。』

「急に現れるから驚いちゃいました。すみません。」

ぺこりとお辞儀して通り過ぎようとすると土方が言った。

『そうだ、お前明日は遅番だろ?』

「え?はい、そうです。」

『俺も明日は遅番だから…メシでもどうだ?』

「え!?」

思いもよらぬ誘いに私は驚いて答えに詰まっていると

『いや、やっぱいいわ。お前も予定とかあるだろうし』

「行きたいです!!ご飯!一緒に…私、夕方の見回り終わったら行けます。」

『そ、そうか。じゃあ19時に俺がよく行くこの店で』

「はい!」

私は嬉しくてるんるんとスキップしながら廊下を歩き、食堂の前で溢れる喜びを抑えてから中へと入った。

『おはようございます。あれ、朝香さん何をそんなにニコニコしてるんですか?何か良いことでもありましたか?』

「ザキ!おはよ〜って、え、私そんな顔してた?」

『はい、思いっきり口角が上がってました。』

「マジか。あのね〜土方さんにご飯誘われちゃった!」

『え!!いいっすね!俺なんか誘われたことないですよ…』

山崎が悲しそうにしているのを気にせず朝食を食べて仕事へ向かった。

「今日は仕事が捗っちゃうなぁ」



ーーあっという間に夕方の見回りの時間になり、いつものように数名の隊士と街へ出た。

「今日も街は平和だね〜。良いこと良いこと。」

『そうですね。そろそろ戻りますか?』

「そうだね、戻ろっか」

今日も何事もなく仕事が終わり、その後の楽しみに心を弾ませていた朝香であったが…


『お姉ちゃん!はい、コレあげる!』

いきなり小さな女の子が朝香の元に走ってきて箱を渡してきた。

「これ、何?どうしたの?」

『あのね、さっきお兄さんにこれをお姉ちゃんにあげてほしいっておねがいされたの!』

「そうなんだ!それでそのお兄さんはどこに行ったの?」

『んー、わかんない』

『朝香さん可愛いからプレゼントとかじゃないっすか?』と隊士から茶化され、早く箱を開けるよう言われて朝香は箱を開けた。
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