真選組と私 〜土方十四郎〜

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朝香は、傷が癒えるまで安静にするよう近藤や土方に言われ、屯所で雑務や土方のパシリ、平隊士たちの稽古の指導などをしていた。

そんな日が数日経ち朝香もそろそろ飽きてきていた。

「はぁ、つまんないなぁ〜」

大きな欠伸が出る。

『暇そうですねィ』

「あー、総悟〜ってアンタ今見回りの時間じゃない?』

『そんなことはどうでもいいんでさァ。そろそろ朝香も退屈してんだろィ?ちょっと外行こうぜ』

「サボりに付き合えって?…いいね〜行こ!」

朝香は、良いところに来てくれましたと悪戯っ子のように笑い総悟と外へ出掛けて行った。

「うわー、総悟と一緒にサボるのなんて久しぶりじゃない?」

『そうですねィ。最近のアンタは真面目で土方の言いなりですからね』

「何その言い方〜まぁ確かに、前よりは真面目に働いてるかも」

『たまには息抜きも必要ですぜ』

「総悟は息抜きしすぎだけどね」

『…あの店入りますぜ』

「あ、話し誤魔化した」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「ふぅ、お腹いっぱい。美味しかったね」

『うまかったな』

「ねぇ、もう少しサボりたくない?」

『オレもそう思ってたところでさァ』

「さすが、気が合うね」

総悟がいつもサボっている公園に来て暫く駄弁っていた。

『そういや傷の具合はどうなんですかィ?』

「傷は全然平気だよ。腕も上げられるようになったし。まだ重い物持とうとするとちょっと痛いくらいかな。」

『そうかィ。まぁ心配なさそうですねェ』

「うん、ありがと。」

『あん時の土方さんの焦った顔は傑作でしたねィ』

「え?」

『朝香のこと必死で探してやした。あんな顔は初めて見たかもしれねぇや』

あー面白い顔だったと総悟はケラケラ笑っている。

「本当心配かけちゃったなぁ、気をつけないと。」

『ホント気をつけてほしいでさァ。朝香のせいでオレの見回り当番増えちまってんだから。』

「ごめん…」

『早く治してオレの分の見回りも頼みまさァ』

「え、やだよ!」

『オレもイヤでさァ。代わってもらいやす。ほら、そろそろ戻りますぜ』

総悟が歩き出す。

「ちょっと待って!私代わらないからねー!」

朝香は、なんだかんだ優しく励ましてくれる総悟に感謝しながらその背中を追いかけた。

「屯所出た時はお昼だったのに、すっかり夕方になっちゃったね」

『さすがに土方さんにもバレてるかもしれませんね』

…と歩いていると背後から……

?『おい、テメェらこんなとこで何してんだァ?』

総悟『げっ、土方』

「…土方さん……」

土方『二人揃っていつまでサボってんだコラァァァ!!』

総悟『朝香、走るぞ』

「うん!!」

土方『待てお前ェらァァァ!!士道不覚悟で切腹だァァァァ!!!』

この後二人は土方にめちゃくちゃ叱られたのであった。

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