真選組と私 〜土方十四郎〜
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ーー突入5日前
かぶき町が動き出す夜に店に着いた朝香。
「おはようございま〜す」
店長『来たね。そしたら早速この制服に着替えて』
そういって渡された制服を見て朝香は固まった。
「…え、何ですか…コレ」
『何ですかコレって、見たらわかるでしょ?バニーガール。』
「……わかりました。」
『奥に更衣室あるから』
「(はぁぁぁぁああ?こんなの聞いてないんだけど?!!ザキの監察レポにそんなこと一つも書いてなかったんですけどぉぉぉぉ?!)」
渡された制服は黒いバニーガールの服で、ウサ耳のカチューシャと網タイツにハイヒールのロングブーツだった。
こんなモノ恥ずかしくて着れるか!!と朝香は思ったが、ここで引き返すわけにもいかず諦めて着るしかなかった。
「…着替えました……」
『おぉ〜さすが、似合ってるよ』
上から下まで舐め回すように見る店長に不快感MAXで絶対に全員まとめて逮捕してやると改めて心に誓う朝香であった。
新人バニーガールの仕事は、主に接客であり客に酒を運んだり卓へ案内したりと簡単である。
店員『モスコミュール、1卓によろしく』
「はい!」
「失礼します。モスコミュールです。」
客『どうも…って君新人?めちゃくちゃ可愛いじゃん』
と言いながら手を朝香のお尻に伸ばしてくるのをひょいと避ける。
「本当ですか〜?嬉し〜い」
『あ…う、うん。頑張ってね〜』
「ありがとうございます!失礼しま〜す」
伸ばした手が空を切りあれ?という顔をしている客に、簡単に触れると思うなよ!と思いながら作り笑いをして去っていく朝香。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
店長『お疲れ様。みんなもう上がって良いよ』
店員ら『はーい。お疲れ様でーす。』
「お疲れ様でしたー」
店を出た頃にはもう既に太陽が昇っていた。
「(疲れたぁ、真選組の夜勤とはまた違うキツさがあったわ…土方さんに報告したらさっさと寝よっと)」
部屋に着いて今日の出来事や特に異変はなかったことを土方に報告して、お風呂に入って寝た。
翌日(突入4日前)の勤務も特に動きはなく、普通に店員として働いた。
店に動きがあったのは、突入3日前だった。