真選組と私 〜土方十四郎〜
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一般客や店員が入口すぐの広い場所にいて、奴等のいるVIPルーム付近に人がいないことを確認すると朝香は突入の合図を送った。
1分も経たないうちに店に真選組が突入してきた。
土方『御用改である。真選組だァァァァア!!』
一気に店内にいる者は混乱し、固まっている。
それもそのはず。違法な賭博場で賭けをしているのだから。店が摘発されたと思い込み自分たちが捕まると勘違いしている。
勿論この場にいる全員を取っ捕まえる予定ではあるが、今は小物に構う暇は無い。
隊士らは入口付近の広場を通り過ぎて奥のVIPルームへと直進していく。
同時に裏口から進入した隊士たちが先に部屋の前に到着した。
総悟『一気に扉ブチ破りますぜ』
そういった瞬間どーーんっ!と総悟がバズーカを撃ち扉が破壊され一気に全員で部屋に入っていく。
隊士たち『真選組だァァァァア!!!』
浪士『!!!?何故バレた?!』
浪士『全員斬り殺せ!!』
斬り合いが始まる。
一方朝香はというと…
入口とVIPルームの間にあるバックルームに店員たちを集めていた。
「はい、皆死にたくなかったら大人しく此処にいて。私も真選組だから。」
警察手帳を見せながら言う。
店長『おい!!どう言うことだよこれ!』
「攘夷浪士取っ捕まえてんの!VIPの奴等テロ企ててたのよ。私は潜入捜査。店長、アンタも違法賭博の経営で捕まるわよ。」
『マジかよ…』
店長はその場で項垂れていた。
「さて、私も行きますか…」
と既に混戦状態の店の奥へ進もうとすると、こちらに複数の浪士がやってきてその中にこの前の浪士がいた。
浪士『お前…新入りの兎じゃなくて、幕府の犬だったんだな。一歩でも動いたらこの女を斬るからな。』
女店員『助けてっ!!』
人質として一緒に働いていた女店員を捕らえていた。
今の朝香はバニーガールの格好で剣も持っていない。
辺りを見渡すも此処は死角で他の隊士からも見えにくく、また助けに入る余裕もなさそうだ。
『お前が局長と交渉しろ。此処から手を引いたら人質もお前たちも見逃してやる。』
朝香は黙っていた。
じっと目の前の男を見つめていた。
『早く答えろ!女を斬るぞ!』
男が女の首に刃をグッと押し当てた其の瞬間、
ドーーーンッ!!!