真選組と私 〜土方十四郎〜

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今日の土方は何やら落ち着かない様子だ。

「土方さん、おはようございます!」

『お、おう、朝香か。』

「今日は暖かいですね」

『そ、そうだな。じゃ、俺は仕事が立て込んでるから』

そういうと土方はそそくさとその場を立ち去った。

「(?何か土方さん変なの〜)」

いつもと違うなとは思ったものの特に気には止めなかった。


ーー昼過ぎ

土方は一人デパートでケーキ屋のショーウィンドウの前を何度も行ったり来たりしていた。

『(…わからねぇ。)』

1ヶ月前、アイツからチョコを貰って今日はそのお返しとやらをする日ということで何か甘い物をと買いに来たものの…わからねぇ。
普段甘い物を食べない俺には何がどう違ってどれが良いのか何一つわからない。

『(困った…どうしたらいいんだコレ)』

何周か往復して店員に不審がられ始めた頃、土方はやっと立ち止まって一つのケーキ屋のショーケースの前で止まった。

?『やっと立ち止まった』

『っ!?』

いきなり声を掛けられて驚き振り返るとそこには今の様子を一番見られたくない野郎がいた。

『いつまでうろちょろしてんのかなと思ってよ』

『万事屋!てめェいつからここにいんだ!』

銀時『土方くんが3周してるのは見たな』

『序盤からずっとじゃねぇか!何見てんだよ!』

『いやぁ、怪しい奴がうろちょろしてんなぁと思って見てたら、まさかあの鬼の副長だったとは!俺も驚きだわ』

『お、俺がケーキ見てちゃ悪ィかよ!』

『どーせ朝香へのお返しでも買おうとしてんだろ?』

『…っ!……』

『やっぱ図星か。朝香、この前ここのチョコケーキ食いてェって言ってたぞ』

『うるせェ!お前の意見なんざ聞いちゃいねぇ』

『あっそーですかー、折角教えてやったのに…じゃーな』

そういうとアイツは去って行った。

暫くその場で考えたが結局…

『すいません、このチョコケーキ1つ』

野郎の意見を参考にするのは気に食わなかったが、朝香が食いたいと言っていたというのならそれをあげた方が喜ぶだろうと思い買った。
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