†CATS FF†

□ココア
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マンカストラップが好き。
口に出すと照れくさい。でも口に出す事で気持が固まってゆくような気がする。

ランペはマンカストラップの家へ向かった。
シラバブを寝かしつけて彼が自由になる時間を見計らって訪ねる。

マンカス!
ノックもそこそこに飛び込んできたランペを、マンカストラップはしっかり抱き止める。
まるで彼女が来ることが分かっていたように。

こんな時間にどうした?何かあったのか?
ランペの顔を覗き込み彼女が笑顔なことを知るとその声から心配な色が消える。

会いたくて来たの。
ランペのまっすぐな視線と人なつっこい笑顔を受けて、彼女を抱き止めた腕を一度強く締めてまた緩めた。

柔らかいソファーへ彼女を促しマンカストラップはココアを作った。そして自分にはコーヒーを。
あたしもコーヒー飲めるんだよ?
ランペは頬を少しふくらませてココアを受ける。
じゃぁ交換するか?おれは甘いココアも大好きだからな。
マンカストラップがいたずらそうに微笑む。

せっかくマンカスが作ってくれたから今日はココアでいいよ。あ!マシュマロも入ってる!!
嬉しい気持を隠せない笑顔を見せるからマンカストラップも思わず笑顔になりランペの隣りに腰をかけた。

で、会いに来たのはなんでだ?
マンゴとケンカでもしたか?
おれが間に入ってやろうか?

…マンゴは関係ない。
ただマンカスに会いたかっただけ。だって…

…だって?

さっきまで言えた言葉が口から出ない。


だって
マンカストラップが
好きだから


…だってマンカスなら誰よりも甘いココアを入れてくれると思ったから。取って付けたような言葉を俯いたまま発する。


マンカストラップはランペの頭を優しく撫でてこう言った。


ランペ、いつでも甘いココアを入れてやる。
ランペがもう少し大人になってもまだおれの所に来てくれるなら、その時は深いコーヒーを入れてやるぞ。
おれは気が長い方だから待つのは嫌いじゃないし、楽しみは先にある方が楽しめるんだ。


マンカス…
マンカスは分かってるの?知っているの?


ランペの金色の瞳はおしゃべりだからな。


後ろから腕を回して肩をそっと抱きランペの耳に軽くキスをする。
早く大人になれ。
大人になってもおれを選んでくれるなら。
今度はマンカストラップが口に出さず想いを込めてランペを見つめた。

ランペはマンカストラップから目をそらさずに頷いた。
そしてマンカストラップの胸に顔をうずめる。

ココアを飲んだら帰るんだ。
月が綺麗な夜だから心配いらないだろうが送って行こう。
少し遠回りして帰ろうか?

うん!

ランペはカップに半分になったココアを大事そうに飲みマンカストラップを見つめた。

大好きなマンカストラップを。

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