文
□蘭円
1ページ/1ページ
「似合います?守さん」
そう言って俺はうなじにあたる毛先を少しいじった。
「ど、どうしていきなり……」
「守さんにカッコいいって言われたくて」
俺は嘘をついた。
まあ、この理由も少しあるがメインじゃない。
本当にガキっぽい理由だと思う。
だけど、こればっかりは仕方ないよな。
守さんが俺を見て、風丸一郎太を思い出してほしくない。
ただ、それだけ。
俺はアイツみたいに貴方を傷つけたりしない。
優しくて無垢で強くて脆い貴方を、俺は絶対守ってみせる。
だから、俺だけを見て
その綺麗な瞳に俺だけを映して
溶けてしまいそう