◆短編
□二人で寄り添えば
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季節は冬。外に出てハァーっと口から空気を出すと、白くなった二酸化炭素が現れた。
「寒いなぁ。」
「へぇ、寒いんだ?」
「わっ、ビックリした…。何でシュウがここに居るわけ?」
「一々シュウに理由言うのも面倒くさいから言わない。」
「…つまんな。」
「つまんなくて結構です〜。私からするとあんたの方がよっぽどつまんないからね?」
何故私がこんなツンケンな態度かというと、1時間前にシュウを誘ってみたが、呆気なく「面倒」「嫌だ」「怠い」の言葉で片付けられたからだった。
「それよりもあんなに嫌そうな顔して面倒だ〜って言ってたのに。珍しいね、ここに来るの。」
「それはあんたがそんな薄っぺらい服装で外に出てるからだろ?……莉香部屋に戻るぞ、寒い。」
「はいはい、戻ろっか」
真っ白い地面からは、ザクザクと雪の上を歩く二人分の足音が鳴る。
玄関前に着いた時、シュウの頬と鼻の頭は真っ赤になっていた。
「シュウの鼻とほっぺたが真っ赤だね。トナカイみたいで可愛いね。」
「莉香後で覚えてろよ」
「嫌だよ〜。可愛いって言ってごめんね?」
そんな冗談を交えながら廊下を歩く。そして私が自分の部屋に入ろうとしたその時、
ドンッ
「ちょっ、何なの?」
突然背中に衝撃がきて、私は前のめりに倒れ込んだ。
「ねえ、何してんの?離れて?」
「嫌。お前のせいで体が冷たくなった…暖めろ」
「そのセリフ恥ずかしくないの?」
「うるさい。」
横に少しだけ顔背けると、肩辺りにフワフワとした金色の髪が見える。
「ふわふわだね。シュウの髪」
優しく撫でていると、突然手首を掴まれ、ブツリという音と同時に甘い声が漏れた。
「アッ…んんッ」
グチュグチュと音を立てながら血を吸われる感覚に呆気なく達してしまいそう。
「チュク…グチュリ…莉香、お前の血甘くなった。」
その一言は「感じてるんだろ?」と言われてるのと一緒で、思わず腰が抜けてしまう。
シュウに支えられ、体を震わせながら私の意識は闇に落ちた。
(莉香、お前だけを愛してる…)
そんな言葉が聞こえた気がしたの
2013.8.16
訂正2013.10.16
2019.0104大幅に訂正しました