◆GACKT短編
□愛さえあれば
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私達には、愛さえあれば上手くいくんじゃないかと思ってたけど、そうでもなかったみたい。
×月××日
今日はガクトと別れた日。
別れた原因はお互いの気持ちが離れてしまった事。それに加えて二股かけられていたこと。
3ヶ月前から、電話もメールもしなくなったし、お互いの家の行き来も無くなった。
「はぁ…、『愛してる』って言葉はやっぱり嘘か…」
ガクトの周りには綺麗な人が沢山いるし、私と付き合ってた方が不思議なくらいだもんね。
本当は私から振ってやりたかったけど、どうしても好きだから別れたくなかった。そしたら、電話で、「名無しさん、別れよう」って言われた。
「うん…、分かったよ。じゃあねガクト…さよなら。」
理由は聞かなくても分かってたから、そのまま逃げるかのように電話を切った。
やっぱりあの女の人の方が良かったんだ…って考えてたら、いつの間にか涙が溢れる。
それから5年の月日が経つ。
私は、当時住んでいた家を引越し、地方のアパートで暮らしている。あの後、何人か彼氏はいたけれど、結局別れてしまった。
「もういい歳になるのにね」
ポツリと呟いた言葉は部屋に消えていく。
それでも、あの時、「別れよう」と言われた時の、あのガクトの悲しそうな、寂しそうな顔が忘れられない。
もしかしたら、迎えに来てくれるかも、なんて淡い期待を抱いてしまっている。
そして私は今日も、カーテンを閉め切った暗い部屋で彼の写真を見ながら、想いを綴る。
この恋という気持ちがいつかアナタに届きますように…。
(全ては私の妄想の中でアナタは私の顔も知らない…)