愛していきましょう
□初めまして。
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悪魔に興味があった私は、ネットで調べた悪魔を呼び出すという儀式を見様見真似でやってみた。
(魔女じゃないんだから、こんなの出来るはずないけど…)
よく分からない謎の文字が描かれた魔法陣と髪の毛1本。あとは、呼び出す悪魔の名前。
「よし、準備はおっけい。」
私は祈るようにして、名を呼んだ。
アロケル
「我が元へ、Allocer…」
呟いた途端、ゴォッと激しい音を立てながら、黒い煙が巻き上がる。
ようやく煙が途切れたかと思えば、陣の中に真っ黒い人影が見えた。
その人影は、コツコツとヒールを鳴らしながら、私の方へと近づいてくる。
「君が僕を呼んだの?見た所、ただの人間のようだけれど?」
そう言って悪魔に覗き込まれるように顔を近づけられたのだが、何とまあ綺麗な悪魔で驚いた。
悪魔と言われ想像するのは、大きくて鋭い牙が生えてて、爪が鋭くて、如何にも悪魔です的なオーラが出ているものと思っていた。
けれどこの悪魔は、髪はサラサラで、目はブルーアイスの色で、肌は白くて、身長はあるが、体型は細い。
ただのイケメンだった。
こんなにも綺麗な悪魔が居るのかと、まじまじと見つめていると、
「ねぇ、ちょっと?聞いてる?」
「あっ、はい…」
「僕はガクト。君は?」
「香織です。」
素直に名前を伝えると、目の前の悪魔はニッコリと笑って“よろしくね”なんて言ってきた。
(この人は本当に悪魔なんだろうか…)