present / gift

□2人、読書
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ここは、マグノリア。
フィオーレ王国最大の商業都市である。

そんなマグノリアの中心から少し離れたところに、小さな草原がある。

その草原には、1人の少女が読書をしていた。

その少女の名は、ルーシィ。
かの有名な“妖精の尻尾(フェアリーテイル)”の星霊魔導師である。

(やっぱり、読書はここでするのが一番ね〜)

最近この場所を見つけたルーシィは、暇をみつけては、よくこの場所で読書をするのが日課になっていた。

「ルーシィ?」

ルーシィが本から目を離すと、正面には、彼女の仲間のグレイがいた。

「あ! グレイ!」
「お前もこの場所知ってんのか?」
「うん。最近見つけたんだぁ〜」

ふと、ルーシィはグレイの手元を見た。
そこには、黄色いブックカバーの本が一冊。

「グレイも読書?」
「ん? あぁ‥‥」
「なんか、以外‥‥」
「以外ってなんだよ‥‥」

グレイは少し苦笑い気味に笑った。

「ねぇ、グレイ。隣、来る?」
「‥‥!////」

ルーシィは上目遣いで、グレイに問いかける。
でも、グレイは内心パニクっていた。

(う、嬉しいけど‥‥っ! こんな所で2人っきりって‥‥!)

まぁ、そのはずだろう。
自分の好きな女の子が、上目遣いで誘われるなんて、動揺するに決まってる。

「‥‥グレイ?」
「あ? あぁ今いく」

結局、グレイはルーシィの隣で読書する事になった。

(集中できない‥‥)

が、グレイは読書どころではなかった。
隣にルーシィがいるだけで、全然落ち着かないのだ。

(いつも、仕事のときは、平気なのにな‥‥)

あまりに落ち着かないので、ルーシィの背中に自分の背中を向けることにしたグレイ。
背後に感じるルーシィの気配にドキドキしつつ、グレイは読書を始めた。




フワッ……





ふと、グレイは背後に重みを感じた。
顔だけ後ろを向くと、そこには綺麗な金髪。
そして、かすかに聞こえる小さな吐息。

(ま、まさか‥‥このシチュエーションって‥‥!)

グレイの思った通り、ルーシィがグレイの背中にもたれかかって、寝ているのだ。

(ヤバい! ヤバいけど、動いたらルーシィが起きちまう!(泣))


ドキドキドキドキ……


グレイの心臓が高鳴る。
グレイはこれまでにないくらい、顔を真っ赤にさせた。





それからグレイは、約2時間、自分と格闘したのだった。





ーendー

 
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