story
□届かない、この想い。
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ふと、探した金髪の彼女。
でも、その彼女の隣にはいつも桜色のアイツが居て。
そんな光景を見るだけで、心が痛む。
どうして、彼女の隣は俺じゃない?
どうして、よりによって桜色のアイツなんだ?
頭の中はそのことでいっぱいになる。
「ルーシィ♪」
「きゃぁ! いきなり抱きついてこないでよ! ナツ!」
「いいじゃねぇかぁ〜♪」
「ナツ! その顔キモイ!!」
ぼぉーっとしていると、聞こえてくる会話。
俺は思わず耳を塞ぎそうになる。
「グレイ?」
声の主は、さっきまでナツと居た、ルーシィだった。
なんで、今来るんだよ‥‥。
今、すっげぇ機嫌悪いのに。
ま、内心嬉しいけどな。
「ナツと一緒にいたんじゃねぇの?」
「あー、逃げてきた(笑)」
まったくー。と言いながら、彼女は俺の隣に座った。
「いいんじゃねぇの? ‥‥‥付き合ってんだし」
自分で言っておきながら、すげぇダメージだった。
「‥‥でも、恥ずかしいもん‥‥////」
ルーシィは顔が真っ赤になった。
キュン
ヤバいだろ‥‥。
あの顔。
反則だろ‥‥!
俺は心の中で、悶えていた。
「‥‥グレイ?」
「ぅえっ?」
いきなり名前を呼ばれたので、変な声を出してしまった。
すると、ルーシィは笑い始めた。
「わっ、笑うなよ‥‥///」
「だっだってぇ、今の声っ!」
あははは。と笑うルーシィ。
もし、ルーシィ以外の誰かが笑っていたら今すぐ殺していたが、ルーシィの笑顔を見るだけで顔がほころぶ。
俺、ルーシィにベタ惚れじゃねぇか。
ったく、かなわねぇな、お前には。
そう思いながら、俺はさっきまでのイライラは消え去っていた。
ーend