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□Wデートはイチゴの味
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「うわぁ〜きれい!」


これが噂の水中トンネルってやつね!
海のなかにいるみたい〜。

「ククッ」
「何がおかしいのよ。グレイ」
「オマエ、ガキみてぇだな!」

が‥‥ガキ!?
ちょっとショックかも‥‥。

「〜〜っ! グレイのばかぁ〜〜!」
「はっ!? (ば‥‥か?)」

いじけたあたしは、ちょっと心配させたくて、その場から走って逃げ出した。


気がつけば、どこにいるかわからなくなっていた。

やばい‥‥。
完ぺき迷子だ‥‥。

「うぅぅ‥‥」

こんなはずじゃ、なかったのに。
後ろにいたナツ達は

『おい! リサーナ!』
『何よ、ナツ』
『これ、リサーナみてぇで面白れぇな!』
『それ褒めてるの〜!?』

なんて感じで、すごく仲が良かった。

ケンカなんてしてないんだろうな‥‥。

あたし達は、ケンカしょっちゅうしてる。
しかも全部あたしが素直じゃないのがいけないけど‥‥。

あたしって、グレイの彼女失格かも‥‥。

ジュビアとか、グレイのことが好きな子、たくさんいるもん。
あたしもその1人だった。

「せっかくのWデート、台無しじゃん‥‥」

ナツ達はきっと心配してるだろう。


ーーポロッ……


「やだっ、あたし何で涙なんか‥‥っ」

無意識のうちに涙がでていた。

「カーノジョ♪」
「‥‥は?」

後ろを振り向けば、チャラそうな男2人。

「泣いてるの? 俺たちがなぐさめてあげよっか?」
「いえ、結構です」

立ち去ろうとして歩き出そうとした瞬間、手を掴まれた。

「いっ‥‥、離してよっ!」
「黙ってろよ〜」
「〜〜っ!」

誰か‥‥っ!
誰かっ、助けて!

運悪く、今日は鍵を持ってきていない。
このままじゃ、ナニされるかわからない。

怖い。
怖いよぉっ。

恐怖のあまり、目をつぶった。


ボキッ


生々しい音が聞こえた。
それは人の骨の音とわかったのは3秒後。

「おい、おめぇら。俺の女に手ぇ出してんじゃねぇよ」

いつもより、低くてドスがきいてるけど、誰だかわかる。


この声は、グレイだ。


「チッ‥‥行こうぜ」

逃げ出したらしい男達。

恐る恐る目を開けると、間近にグレイの顔。
しかもかなり怒ってる。

「‥‥////」

恥ずかしさと気まずさで、思わず目を逸らした。

「ルーシィ」
「な‥‥何?」
「こっち向けって」
「嫌だ‥‥」
「何で?」

きっと「アンタには関係ないでしょっ!」なんて言ったら、またケンカになる。

たまには素直になってもいいじゃないか。

恥ずかしいけど、勇気をだせ! あたし!

「だって‥‥」
「だって?」
「は、ずかしい‥‥し。顔近くて‥‥」

どう! 言ったわ!


‥‥‥‥‥‥‥‥。


あれ? 無言!?

グレイの顔が気になり、正面を見るとそこにはーー‥‥

「‥‥////」

耳まで真っ赤なグレイ。

思わず、あたしまで真っ赤になってしまった。


しばらくの沈黙を破ったのは、グレイ。

「‥‥いいな」
「へっ?」

何がいいの!?

「ツンデレなルーシィもいいけど、素直なルーシィもいいな」
「なっ‥‥!」
「やっぱオマエ、カワイイよ」


ぷしゅ〜。と頭がオーバーヒートした。


「そそそそんなの当たり前でしょ!??////」
「あ〜はいはい」

呆れながらも頭をポンポン不器用だけど、優しく撫でてくれるグレイ。

「じゃあ戻るか」
「うん。‥‥ねぇ、グレイ」
「なんだ、ルーシィ」


チュッ


「ありがとね」
「〜〜っ////」


今日のことでちょっとだけ素直になれた、あたしでした。




後で、リサーナ達に謝っておかなきゃな。



ーendー


→おまけ


 
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