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□星の輝きに
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「ルーシィ、明日空いてるか?」
「ん〜、まぁヒマだけど」
「じゃあちょっと付き合ってくれねぇか?」


というわけで、明日ルーシィはスティングの買い物に付き合うことになった。


ルーシィはただの買い物としか思っていないが、スティングは違った。

彼は、クロッカスでルーシィと出会ったとき、ルーシィに一目惚れしていた。
それからというもの、スティングはルーシィに毎日のように会いに行っている。
そして、明日はその一目惚れした相手と2人きりで、買い物。

つまり、デートだ。

スティングは明日のことで頭がいっぱいで、眠れなかった。


〜翌日〜

「遅いな‥‥」

スティングは1人、立っていた。
待ち合わせ時間が過ぎているのに、ルーシィは現れなかった。

(まさか‥‥ドタキャン!? それとも、事故!?)

スティングが最悪の事態を想像したときーー‥‥。


「ごめん!」


ルーシィが現れた。

「待った‥‥?」

ルーシィはスティングの機嫌を伺うように尋ねる。
一方のスティングは、少し驚いた様子で、固まっている。

「いや、待ってない」
「そう? よかったぁ‥‥」

スティングが怒っていないとわかると、ルーシィは安堵の表情を浮かべた。

(何このカッコ! 可愛い過ぎるんですけど!)

今日のルーシィの格好は、ミニのワンピース。
それはスティングの好みにドンピシャだ。

「ちょっと、なに固まってるのよ? 行くんでしょ?」
「あ、あぁ‥‥」
「はい!」
「?」

ルーシィは手を差し出した。
スティングは意味が分からなく、?マークを頭上に浮かべた。

「手、繋がなきゃ。はぐれるでしょ?」

当たり前。といわんばかりに、淡々と言うルーシィ。

(え? え? 何この状況!? 何かのご褒美ですか!?)

心の中でガッツポーズを決めつつ、スティングは手をルーシィのそれに乗せようと、手を伸ばした。





瞬間。







ーーキラッ





「やぁ、ルーシィ♪」



ロキが現れた。


「ロキ、アンタまた勝手に‥‥」
「だってぇ〜、最近全然喚んでくれないじゃん、ルーシィ」
「まぁ、確かに最近は強いヤツと戦ってないから‥‥」
「ヒドいよ〜。タウロスとかバルゴはいつも喚んでるのにっ!」

傍らに居るスティングの存在を忘れ、ルーシィとロキは話を続ける。

スティングはこの状況が面白くなかった。

呆れてはいるが、少し嬉しそうなルーシィ。
そして、今ルーシィの視線を独占しているロキが。

(チッ‥‥さっきまでいい感じだったのに‥‥)

不機嫌オーラ全開だ。

(ふ‥‥作戦成功♪ ルーシィと買い物なんて、百年はやいよ)

一方のロキは、してやったりと内心思っていた。

実は、ルーシィがスティングと2人で買い物に行くと聞き、2人の邪魔をする事を昨日から考えていた。

「あ、そうだ! ロキも一緒に行こうよ、ね?」

上目遣いで、ルーシィはロキを見つめる。

「ルーシィの誘いだ。いいだろう?」

ニヤリと不適な笑みを浮かべ、してやったりと思ったロキ。

「あぁ、別に良いぜ」

上等だといわんばかりに、挑発的なスティング。

2人の間に、稲妻が走る。

「じゃあレッツゴー!」

ルーシィはそんな様子に気づかないようで、のほほんと歩き出した。

「僕のルーシィは渡さないよ?」
「オマエ、後で痛い目みるぜ?」


スティングとロキの静かなバトルは、幕を開けた。



ーendー


 
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